3Dプリンター
3dプリンターは、3次元のデータを取り扱えるソフトウェアで作成されたデータから立体物を作り上げる機器の総称。3次元のデータを作るためのソフトウェアとしては、3DCADや3DCGなど、様々な種類・タイプが挙げられる。
概説
3Dプリンターの開発の歴史は古く、1980年代にすでに開発が始まったとされている。ただし当時は高価であるだけでなく、特殊な制御を必要とする製品であったため、一般にはなじみが薄かった。その後も開発が進められていたが、一気に開発が進んだのは2010年頃とされ、この頃には数万円〜数十万円の程度の製品が発売され始めるようになった。それに伴い、企業や法人だけではなく個人や家庭でも導入するところが増えていった。また近年になると、3Dスキャナを搭載した製品や、精密な造形に適した光造形法などの製品が低価格化されたことから、より普及が進んでいる。それに伴って、様々な企業で製品化が進められ、製造競争が激しくなってきている。
特徴
3Dプリンターの特徴としては立体物が出来上がる過程にあり、主なタイプとしては液体にした樹脂に光を照射しながら固めて積み上げて作るタイプがあり光造形方式と呼ばれる。光造形方式では紫外線を光硬化タイプの液体樹脂に照射し、樹脂を硬化させて重ねていく。この方式の利点として熱を必要としないため、熱変性が起きにくい。また、大型の立体物を作ることができるため、自動車などの実寸サイズの部品を試作する目的で使われることがある。他では映画の小道具などにも用いられることがある。
他のタイプとしては高出力レーザーを粉末状の材料に照射して焼結するやり方で立体物を作る製品も存在する。これは一般に粉末焼結積層造形方式と呼ばれるもので複雑なモデルの立体物が作れるメリットがあり、ジェットエンジン用の部品などの製造に使われることがある。
さらに、インクジェット方式と呼ばれるタイプでは、樹脂をインクジェットヘッドから噴射し紫外線で固めながら積み重ねる仕組みになる。この方式では高精度で高解像度な立体物を作ることが可能になり、医療用モデルや小ロットの量産品の製造などに用いられることが多い。
最後に熱溶解積層方式と呼ばれる3Dプリンターとは、ABS樹脂などの熱可塑性樹脂を融解させ、それを吐出して一層ごとに積み重ねるタイプである。このタイプは、光硬化樹脂や粉末材料を使わないので、比較的安全性が高い。