5G(第5世代移動通信システム)

5G(第5世代移動通信システム)とは

5G(5 Generation)は主にスマートフォン等携帯用端末で無線通信する際の通信規格のことで、現行の4Gの次の世代となる。5Gの環境が整備される事で大容量の高速通信や低遅延、多数のデバイス同時接続などの実現が期待されている。

概説

5Gは増え続ける通信量に対応し、また現規格では賄えない大容量の通信を実現(4Gの約100倍)させるために、3.6~6GHz帯、更には28GHz帯以下の周波数帯を利用してデータ通信を行う事が想定されている。また使用するエリアをカバーするために一部4Gの周波数帯を利用し要求に応じて5G用の周波数帯を使うという案や、既存の3Gで使用されている周波数帯を将来的に5G用に利用していくといった構想もある。

一方で5Gで想定されている大容量通信を実現させるためのビーミングと呼ばれる技術ではこれまでよりも距離が出しづらく、また電波自体も直線的に進む性質があるため、例えば建物内などで使用する場合電波をどのように届けるかという課題がある。これに対応するために携帯電話各社は基地局などの通信設備を現行の4G用のインフラ以上に小型化(スモールセル)し広範に設置し対応する予定になっているが、かかる費用は大きくまた都市部以外も含めた全国的な設備展開に関連する費用等も大きな課題となっている。

また、5Gはその容量の大きさからIoTとしての活用も視野に入れられており、既存のスマホを中心としたトラフィックだけではなく、様々なデバイスからの通信も補えるように、各通信が混雑しないように経路をそれぞれ独立させたりする事などが考えられる。

5Gのメリット

5Gが普及する事で起こる最大のメリットはインターネット環境の向上になる。特に動画視聴に関してはスマホで視聴するのが大変だった4K動画なども難なく見る事が出来るようになる。更に大勢の人がいる環境などでも対応が可能なため、アクセスが集中した際などの遅延の解消が期待できる。また5Gの技術はIoT分野に関しても有益に用いられる事が期待されており、外環境において現状と比較し高精度・低遅延で高いレベルのスピード・容量の通信が可能となるため、より広域に細かな設定や制御が可能になると言われている。この技術により産業界では自動運転技術などへの利用も考慮されていると見られる。

5Gのデメリット

5Gのデメリットとしては、周波数の違いによりそれまで通信が可能であった場所でも既存の大規模な基地局(マクロセル)からの通信では電波が届きづらいという指摘がある。このため、業界では小型基地局(スモールセル)を整備しカバーする動きがあるが、実用レベルに運用させるための維持費などがどの程度に増大するかは現在は不透明な状態である。

また、使用料金がどのように決定されていくかも現時点では不透明であり、現在の大手携帯キャリアのモデルでは収まりきらないトラフィックが発生する事は確実視されるため、サービス提供社がどういった価格帯を設定してくるかによって、利用者の印象も大きく異なる。日本においては携帯事業に対する楽天の参入もあり、より価格に柔軟性が発生する事が期待されている。

他ではスマホ自体のハード的な限界も指摘されるデメリットとして語られる点の一つで、通信によって発生するエネルギーによるスマホの発熱が対応しきれない(夏場など故障が増加する)、膨れ上がるデータの保存容量を確保出来ない、使用時の電池の高消費などが懸念点として挙げられている。

各国の状況

5Gは2019年4月に韓国で供用が開始され、続けて米国でもスタートした。その後もイギリス、スイス、ドイツ、イタリア、モナコ、フィンランド、ルーマニア、サウジアラビア、クウェート、カタール、バーレーン、南アフリカ、オーストラリア、スペイン、UAE、中国、フィリピンで提供されており、日本も2020年3月よりソフトバンクを皮切りにドコモ、auが提供を開始している。ただし、現状では各国とも提供するための設備は都市部がサービス提供エリアとなっており、地方も含めた幅広い5gエリア網の構築には時間を要する見込みとなっている。

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