アーモンドアイ(繁殖牝馬)

アーモンドアイとは

アーモンドアイは日本の元競走馬・繁殖牝馬で、競走馬として牝馬3冠をはじめGIレースを9勝した名馬。2020年11月29日に現役を引退した。JRAにおけるGI最多勝利数および総獲得賞金歴代1位を誇っている。

競走馬としてのアーモンドアイ

アーモンドアイは2015年の3月に北海道安平町のノーザンファームにて誕生した。育成牧場に移るまでは華奢な印象を持たれていた同馬だが、育成は順調に進みデビュー前には抑えるのが大変なほどの成長ぶりを見せていた。

アーモンドアイは2歳になると美浦の国枝栄厩舎に入厩し2017年8月6日の2歳新馬でデビュー戦を迎える。レースでは1番人気に支持されるも直線で先を行くニシノウララを捉えきれずに2着に敗退する。その後続戦はせず秋の東京開催まで待った後10月8日の未勝利戦に出走し余力たっぷりの勝利で初勝利を飾る。アーモンドアイの2歳はこの2戦で終えることになる。

翌年3歳となったアーモンドアイは年明け間もない1月8日のシンザン記念に出走し後方から鋭い末脚を披露して見事に勝利。なお本レースでは格上挑戦となったが前走の勝ちっぷりや調教の動きから1番人気に支持されていた。

牡馬を破っての重賞勝利で一躍クラシック候補になったアーモンドアイは次走に桜花賞への直行を選択する。トライアルを使わずに直接向かうことに対して不安視する声もあったが、本番の桜花賞ではそのトライアルを勝利して臨んできた2歳女王のラッキーライラック以下を寄せ付けず鋭い末脚で勝利する。

続戦となったクラシックレース第二弾のオークスでは父親のロードカナロアが短距離で活躍したことから距離を不安視する声も上がったが難なく勝利し2冠馬となる。その後、夏を休養に充てたアーモンドアイは、次走の3冠の最終戦となる秋華賞へは桜花賞時と同じくトライアルを挟まずに直行することを選択する。このローテーションに関しても一部不安視する声はあったものの、当日は1.1倍のダントツの一番人気に支持され、その通りレースも快勝し見事牝馬三冠を達成する。

ジェンティルドンナ以来6年ぶりの3冠馬となったアーモンドアイは次走にジャパンカップを選択、牡馬の最高峰のレースにどこまで通用するか注目が集まった。
当日は古馬の競合を抑えて一番人気に支持され、レースにおいても先行して最後の直線で力強く抜け出してくる横綱相撲で完勝する。なおこのレースで記録された時計2分20秒6は2400m戦の日本だけではなく世界レコードでもあった。見事に4冠を果たしたアーモンドアイは3歳をこのレースで終える。

翌年4歳になったアーモンドアイは始動を海外のレースであるドバイターフを選択しレースでも中段から進めて最後の直線で豪快な末脚を発揮して勝利する。世界的にも注目を集めるようになったアーモンドアイだが、疲労などが考慮され、次走には海外ではなく国内の安田記念が選ばれた。安田記念では中段から進め直線ではいつもの末脚を疲労するものの前を走るインディチャンプらを捉えきれず3着に敗退してしまう。これにより未勝利戦以来続いていた連勝記録は7で止まった。

秋シーズンは天皇賞・秋へ直行しレースでは競合を一蹴して3馬身差の余裕ある勝利、安田記念での敗退を払拭した。次走に注目が集まったが、陣営は香港を選択、調整が進められていたものの直前で熱発してしまい回避、一転して年末の有馬記念を目指すことになった。有馬記念では距離やタフな馬場コンディションを乗り切れるかに注目が集まったが、最後の直線で見せ場なく沈んでしまい9着に敗退、初めて馬券外に沈んでしまう。4歳の最後はほろ苦い結果となった。

5歳は春のヴィクトリアマイルから始動することになった。またもや長期休養明けのレースとなるが本番では他馬をまったく寄せ付けずに楽勝、直線持ったままの状態で1分30秒6を記録し改めて本馬の能力の違いを見せつけた格好になった。
続戦となった安田記念では直線では一旦抜け出しかかるものの、あっさりとグランアレグリアに交わされてしまい2着に敗退する。

秋は前年同様に天皇賞・秋から始動、有馬記念や安田記念の敗退もあり、少しづつ衰えなどが指摘されるようになったが当日は1.4倍の1番人気に支持されレースにおいても最後フィエールマンの猛追を押さえ込んで勝利を果たす。なおこの勝利によって芝の通算GI勝利数が8勝となり、過去7勝が最高だった勝利数を更新した。
次走に注目が集まる中、陣営が選択したのはジャパンカップで同時に同レースを持って引退することも発表された。

引退レースとなったジャパンカップは3歳クラシックで共に三冠を達成したコントレイルとデアリングタクトが出走を表明しアーモンドアイを含めて3頭の三冠馬が出走するレースとなった。レースではスムーズの前に付けたアーモンドアイが直線悠々と抜け出し後続を押さえ込んで勝利、見事に引退レースを勝利で終える。
なおこの勝利によりGI最多勝記録が更新され9勝となり、中央競馬に限った場合においても8勝となり単独1位となった。また獲得賞金も19億1526万3900円となり過去キタサンブラックが記録した18億7684万3000円を抜き一位となった。

アーモンドアイの血統

ロードカナロア キングカメハメハ
レディブラッサム
フサイチパンドラ サンデーサイレンス
ロッタレース

アーモンドアイの競走馬成績

レース名 着順
2歳新馬 2着(C.ルメール)
2歳未勝利 1着(C.ルメール)
シンザン記念 1着(戸崎圭太)
桜花賞 1着(C.ルメール)
優駿牝馬 1着(C.ルメール)
秋華賞 1着(C.ルメール)
ジャパンカップ 1着(C.ルメール)
ドバイターフ 1着(C.ルメール)
安田記念 3着(C.ルメール)
天皇賞(秋) 1着(C.ルメール)
有馬記念 9着(C.ルメール)
ヴィクトリアM 1着(C.ルメール)
安田記念 2着(C.ルメール)
天皇賞(秋) 1着(C.ルメール)
ジャパンカップ 1着(C.ルメール)

競走馬情報

生年月日 2015年3月10日
性別 牝馬
毛色 鹿毛
通算成績 15戦11勝
主な勝ち鞍 牝馬三冠、天皇賞・秋ジャパンカップ、ドバイターフ
所属厩舎 国枝栄(美浦)
生産者 ノーザンファーム
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