アニサキスとは
アニサキス(Anisakis)は海洋生物に寄生する寄生虫の一種。胃や腸あるいは他消火器官にて発症するアニサキス症の要因となる回虫。
特徴
アニサキス卵から孵化した後、オキアミなどの甲殻生物に取り込まれ、その後カツオやアジ、タラ、サケ、イカ、サンマなど回遊性魚に寄生し成長し、最終的にイルカやクジラといった最終宿主に食べられることで成虫となる。大きさとしては幼虫で長さが1~3センチ程度、太さが1mm未満で肉眼で確認することが可能。細いミミズのような形状をしており、幼虫は活発に動く。動く際には胃壁や腸壁に潜り込もうとするため、取り込んでしまった場合は痛みを生じることになる。なお、アニサキスは、多くの場合1週間以内には死ぬため、取り込んでしまったからといって必ず重篤な症状を引き起こすわけではない。
アニサキスは塩漬けや酢漬け、あるいはわさび、しょうが、にんにくなどでは死滅しないため注意が必要。ちなみに厚生労働省では-20℃環境下で24時間以上冷凍することや加熱処理する場合は70℃以上、または60℃なら1分以上加熱することが推奨されている。参照:厚生労働省「アニサキスによる食中毒を予防しましょう」
なお、日本においてアニサキスによる症状の報告が近年増加している要因としては、人々の間で認知が進んできたことに加えて、輸送技術の発達などにより魚を生きたまま輸送することが可能になり、症例が増えているということも指摘されている。