反出生主義

反出生主義とは

反出生主義(はんしゅっしょうしゅぎ:Antinatalism)は子どもを持つことを否定的に見る哲学的見地・立場のこと。

概説

反出生主義は19世紀に活躍したドイツの哲学者であるアルトゥール・ショーペンハウアーや南アフリカの大学教授であるデイヴィッド・ベネターなどが提唱している哲学的概念で、特に後者のベネターの著書である「生まれてこない方が良かった―存在してしまうことの害悪」が反出生主義を体系的に解説しており、少なからず反響を呼んでいる。

特徴

反出生主義は生を受けることが災いであるとし、子どものことを考えるならば産まないことが最良の方法であるとする。例えば子どもを産むことは性的な興味や快楽を追求した結果として引き起こされた事象、子育てをしたいという親の欲求、老後の世話をしてもらうという計算高い発想、などいずれも親の意思に依るものの産物であり、子どもの立場ではない。つまり親の欲のために子どもが利用されていると言え、ゆえに子どもを持つべきではないというスタンスを取る。

なお、反出生主義は子どもを持つことに対して否定的な見地を持つのであって、決して生自体を否定している訳ではない。また苦痛を伴うような結果になることも否定されており、例えば前述したベネターなどは、結果として地球上の人口はゼロになるべきだと主張しつつも、緩やかに減少していき最終的に絶滅するべきだとしている。

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