シーザリオとは
シーザリオ(Cesario)は日本の繁殖牝馬であり元競走馬。競走馬時代は日本国産馬として初めてアメリカのGIを制すなど優秀な成績を残している。また母馬としても優秀な成績を残しており、エピファネイア、リオンディーズ、サートゥルナーリアなど多数のGI馬を排出している。なお馬名の由来はシェークスピアの代表作である十二夜のヒロインであるヴァイオラが男装する際に用いた名前。
競走馬としてのシーザリオ
シーザリオは2004年の年末にデビューし勝利を収める。しかしこの時点では特に目立った勝ちっぷりでもなく大きく騒がれる事は無かった。
ただし、年が明けて続戦となった2005年1月の寒竹賞で、後に重賞戦線で活躍することになるアドマイヤフジやダンスインザモアを撃破し、雄大な馬格や牡馬を封じた走りっぷりに評価が急上昇しクラシックを賑わせる一頭と目されるようになった。
その後、休養を経て望んだフラワーカップでは堂々たるレースぶりを披露し3連勝を飾る。この時点でクラシック主役候補の一頭と見られるようになったが、同じ牝馬戦線の有力馬の一頭ラインクラフトに騎乗するため主戦であった福永祐一騎手が桜花賞では乗り替わりとなった。そのクラシック第一弾の桜花賞では、戦前の予想通り、ラインクラフトが前目につけ直線で抜け出したところをシーザリオが猛追するもわずかアタマ差届かず2着と敗戦を喫する。なお、この敗戦が生涯唯一の負けになる。
続くオークスへ向けてはライバルであったラインクラフトが距離の不安があることからNHKマイルカップに進むことになり、またもや福永祐一騎手が手綱を取ることになった。
そのオークスでは1.5倍の支持を集め一番人気に押されるも、スタートで出遅れて大きく後手を踏んでしまう。その後、道中は中団より後ろ目に位置取り、苦しいレースを強いられるが、最後の直線では一頭だけ別次元の末脚を披露しエアメサイア以下を一気に差し切り優勝。この勝利により世代ナンバーワン牝馬の称号を手に入れる事になる。
シーザリオはその後の路線に注目が集まったが、陣営が選択したのはアメリカのGI競争に出走させることであり、オークスからわずか1ヶ月後にアメリカで行われるアメリカンオークスへの出走になった。オークスでの圧倒的な強さが影響したのか、このレースでもシーザリオは一番人気となり、レースでもそれを証明するかのように終始余裕のあるレースぶりを見せて圧勝する。この勝利により日米のオークスウイナーとなった。
圧倒的な強さを見せたシーザリオだったが、アメリカンオークスのレース中に繋靭帯炎を患っており、秋以降の出走は白紙となる。その後何とか復帰に向けて調整が続けられていたが、翌年再度繋靭帯炎を再発したため競走馬を引退することになった。通算の競走成績は6戦5勝(2着一回)とレース数は少ないものの、ほぼパーフェクトな成績を収め競馬界にその名を刻んだ。
繁殖牝馬としてのシーザリオ
繁殖牝馬としてのシーザリオは輝かしい記録を残した現役生活に負けず劣らず優れた成績を残している。
初仔、2番仔は脚元に不安があり大成出来なかったが、3番目の仔であるエピファネイアが菊花賞とジャパンカップを、6番目の仔であるリオンディーズが朝日杯フューチュリティステークスを、9番目の仔であるサートゥルナーリアがホープフルステークスと皐月賞を(2019年9月時点)、それぞれ優勝しGIウイナーとなっている。また特筆すべきはGIを優勝した産駒はいずれも異なる父馬から誕生しており、この点からも母馬であるシーザリオの優秀さが伺える。
また息子のエピファネイアが種牡馬初年度から2年連続でクラシックホースを輩出したり、ロザリンドの仔が重賞を勝利するなど孫も活躍しており、シーザリオの血がますます注目されている。
シーザリオの血統
スペシャルウィーク | サンデーサイレンス |
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キャンペンガール | |
キロフプリミエール | サドラーズウェルズ |
ケリーダ |
シーザリオの競走馬成績
レース名 | 着順 |
---|---|
2歳新馬 | 1着(福永祐一) |
寒竹賞 | 1着(福永祐一) |
フラワーカップ | 1着(福永祐一) |
桜花賞 | 1着(吉田稔) |
オークス | 1着(福永祐一) |
アメリカンオークス | 1着(福永祐一) |
シーザリオの繁殖成績
年 | 成績 |
---|---|
2007年(初仔) | トゥエルフスナイト(父キングカメハメハ) |
2008年(2番仔) | ヴァイオラ(父キングカメハメハ) |
2010年(3番仔) | エピファネイア(父シンボリクリスエス) |
2011年(4番仔) | ロザリンド(父シンボリクリスエス) |
2012年(5番仔) | クローディオ(父ハービンジャー) |
2013年(6番仔) | リオンディーズ(父キングカメハメハ) |
2014年(7番仔) | グローブシアター(父キングカメハメハ) |
2015年(8番仔) | シーリア(父キングカメハメハ) |
2016年(9番仔) | サートゥルナーリア(父ロードカナロア) |
2017年(10番仔) | ファーストフォリオ(父キングカメハメハ) |
2018年(11番仔) | ルペルカーリア(父モーリス) |
2020年(12番仔) | 馬名未定(父ロードカナロア) |
競走馬情報
生年月日 | 2002年3月31日 |
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性別 | 牝馬 |
毛色 | 青毛 |
通算成績 | 6戦5勝 |
主な勝ち鞍 | オークス、アメリカンオークス |
所属厩舎 | 角居勝彦(栗東) |
生産者 | ノーザンファーム |