イーサリアムとは
イーサリアム(Ethereum)は暗号資産(仮想通貨)の一種で、シンボルはETH。分散管理するアプリのことでプロジェクト名。創設者はロシア人のヴィタリック・ブテリン氏。2015年に開始以来人気を高めビットコインに次ぐ暗号資産の二番手としてのポジションを確立しつつある。
概説
イーサリアムは分散型アプリケーション(Dapps)と呼ばれる機能を持つプラットフォームにあたり、その一部として通貨機能を有するイーサがある。このイーサのブロックにはビットコインの機能である取引記録だけではなく、それ以外の付加情報も載せる事が可能で、この機能をスマートコントラクトと呼んでいる。
一方のアプリケーションとしてのイーサリアムに関しては、イーサリアムを基盤として様々なプロジェクトが開発を進めた事により、決済、契約といったものから取引所、果ては旅行系のアプリまで様々なイーサリアムベースのアプリが開発されている。
これらのプロジェクトが多く立ち上がったのが2017年で、プロジェクト内容を公開する(またはリリースする)際の資金調達の方法としてICOと呼ばれる手法が流行り、ICOに参加する際にイーサで受け付けるプロジェクトが多発した事から、イーサは2017年に大きく買われ値を上げる事になった。
但し、一方でそのICOに関しては詐欺を前提としたプロジェクトも多発したため各国で規制が相次ぐなど問題も多く引き起こしている。特にイーサリアムを用いたプロジェクトであったThe DAOが2016年に脆弱性を突かれ価格にして約65億円を盗まれるという事件は、問題を対処するためにイーサリアムの分裂にまで発展した。
2018年以降はコンスタンチノープル、メトロポリス、ムーア・グレイシャー、ベルリン、ロンドンといったアップデートを重ねプラットフォームとしての基盤を強化する一方で、DefiやNFTの市場の盛り上がりもあり、価格が高騰した。
なお、イーサリアムは2022年8月までPoWと呼ばれる、マイニングによってトランザクションを承認する方式を採用していたが、2022年9月に保有数と保有期間によって検証者を無作為に抽出するPoSへと移行(The Merge)した。これによりマイニングによって懸念されていた電気の消費量を抑制することが可能となり、イーサリアム財団が試算した内容によると99.95%の減少が見込まれるという。
特徴
イーサリアムの特徴は前述したスマートコントラクトと呼ばれるブロックチェーン上に様々な契約情報を載せることになり、他ではdappsという分散型で管理するアプリケーションのプラットフォームとしても活用されており、ソース自体も公開されている。なお、繰り返しになるが暗号資産取引で扱われるイーサ(ETH)はこの内の通貨機能を有するトークンのことを指しているため、厳密にはイーサリアム=プロジェクト全体の総称であり、金融取引で扱われているイーサ(ETH)はイーサリアムプロジェクトを構成するうちの一つの要素になる。
暗号資産情報
名称 | イーサ(ETH) |
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誕生 | 2015年5月(テスト環境移行時) |
創設者 | ヴィタリック・ブテリン(Vitalik Buterin) |
特徴 | (プラットフォームとして)分散型アプリケーション、スマートコントラクト、他 |