フィルターバブルとは
フィルターバブル(filter bubble)はインターネット上の情報において自分が見たいものしか見えなくなっていくこと・状況のこと。登録した情報がより目に付くように配置したり(されたり)、不快なものを表示させないようにしたりといったサービス提供側のアルゴリズムによって起こる事象をバブル(泡)に包まれたように見えなくなると表現した概念でアメリカの作家・活動家であるイーライ・パリサー(Eli Pariser)が提唱した。
概説
現在、WebサイトやSNSなど多くのインターネット上のサービスにおいて、ユーザーの過去履歴や端末情報などを基に最適なものを表示させるような仕様(おすすめ、あるいはレコメンドと呼ばれている)が取り入れられている。またはブロック機能などを活用することで意図的に自身が好まないものが表示されないようにすることも出来る。
その結果、利用する各ユーザーはアルゴリズムが最適としたものに迅速にアクセス出来るようになっている一方で、見たくないもの・興味関心が無いものに触れる機会が無くなり、最終的には自身が強く信ずる特定の価値観や思考形式に沿った情報が多く与えられ、特定の考えや情報にのめり込みやすくなるとされている。
前述したパリサーはこの状況を「それまで情報について編集者という門番がいたが、それがインターネットによって取り払われたと思ったら次はアルゴリズムの門番に取って代わった」とアメリカの講演会であるTEDの中で述べている。
なお、これらの見たくないものを選別するフィルター機能は各人が持つスマホと紐づいたブラウザ上のクッキーや履歴、あるいはスマホなどの端末情報を基に生成されるため、近年では個人情報の収集を巡って利用者とサービス提供元がトラブルになるケースも増加している。