フット・イン・ザ・ドア・テクニックとは
フット・イン・ザ・ドア・テクニック(foot in the door technique:FITD)とは交渉の際などに簡単な頼み事を行っていき、最終的に目的となる大きな要求を通す手法。非常に有名な手法で、現在ではビジネスから恋愛まで多くの交渉局面においてこの手法が使われている。
特徴
この手法はアメリカの心理学者であるスコット・フレーザーとジョナサン・フリードマンによって提唱された。この手法が有効的に働く背景として、一度何らかの合意をしてしまうと、以後の依頼は前回の合意を受けてのものになるため、一貫性を保つために合意する必要があると考えてしまう心理を利用する点が挙げられる。
ビジネスにおいてもフット・イン・ザ・ドア・テクニックは使われており、例えばB2Bの商売において、多くの営業マンなどはまずアポイントメントを獲得しようと努めるが、これは一度会うという既成事実を作ることで、以後も会いやすくするためである。
なおフット・イン・ザ・ドア・テクニックには手法の精度を高めるために、敢えてその要求の選択は自由と伝えることもある。これにより、信頼感が高まりその後より強固な関係性が構築されることがある。例えば上記の例で言えば、長く関係性を高めたい顧客の場合は敢えて売り切らないことで、長期の関係性を構築し、何らかの商品が出るたびに提案がしやすくなるという事にも繋がる。
また、このテクニックにおいては初期段階に全く関係ない要求を行うこともあり、これはあくまでも合意を取るという点にのみフォーカスした手法になる。