
ゴールドシップとは
ゴールドシップ(Gold Ship)は日本の元競走馬で、現在は種牡馬として北海道新冠郡にある牧場ビッグレッドファームで繋養されている。現在まで日本の中央競馬にて芦毛馬としての最多GI勝利数(6勝)を持っている。通算成績は28戦13勝。
競走馬としてのゴールドシップ
ゴールドシップは北海道沙流郡日高町の出口牧場で誕生した。幼少期より身体が大きかった同馬だが性格はおとなしく、トレーニング自体も順調に消化していたという。2歳時に育成牧場から福島の吉澤ステーブル福島分場に移動してデビューまでの調教を行っていたものの、東日本大震災が発生したことで、一旦北海道に戻り、その後石川県小松市にあるトレセンで調教を積んだのちに栗東の須貝厩舎に入厩する。その後、7月9日に函館競馬場の1800m戦でデビューし、1分51秒2のコースレコードで勝利を飾る。さらに次戦となるコスモス賞も勝利し連勝を飾るものの、3戦目となった札幌2歳Sでグランデッツァの2着に敗れると間隔を開けて使われたラジオNIKKEI賞でも同じく2着に終わり2歳戦は4戦2勝で終える。
明けた3歳は初戦に選んだ共同通信杯で後のダービー馬ディープブリランテを抑え優勝を果たし、次戦を皐月賞に設定する。迎えた皐月賞では荒れた内側の馬場を嫌った多くの馬が外側の馬場を通る中、ゴールドシップはインを力強い脚で進み、直線抜け出すと後続を封じ込んで見事に優勝を果たす。ただ、その後の日本ダービーでは直線伸びきれずに5着に終わる。
夏を休養に充て、秋は神戸新聞杯から始動し優勝を果たす。次く菊花賞でも圧勝し二冠馬となったゴールドシップはそのまま有馬記念に向かい古馬を抑えて優勝。年度代表馬こそ、牝馬三冠を果たしたジェンティルドンナに譲ったが、文句なしで最優秀3歳牡馬に選出された。
4歳時は阪神大賞典で勝利するも天皇賞・春は敗退、その後の宝塚記念は優勝、秋は京都大賞典、ジャパンカップ、有馬記念共に敗退とやや不本意なシーズンを過ごす。
5歳は阪神大賞典で勝利するも本番の天皇賞・春では気の難しさを出してまたもや敗北。秋に海外遠征を計画しているだけに負けられない戦いとなった宝塚記念では見事にジェンティルドンナら強敵を退けて優勝する。その後札幌記念を挟み、仏の凱旋門賞に遠征を行うが結果は14着と芳しく無い成績に終わる。その後帰国し有馬記念に出走するも3着に終わり5歳を終える。
現役最後の年となった6歳はAJCC、阪神大賞典とステップレースを刻み、目標の天皇賞・春を初めて優勝する。続いて迎えた宝塚記念では、連覇していたことが嘘かのように敗北を喫してしまい、そのまま秋のシーズンでジャパンカップ、有馬記念にも破れて現役を引退した。
種牡馬としてのゴールドシップ
ゴールドシップはGIを6勝しているにも関わらず、サンデーサイレンス系種牡馬の増加や近代のスピード競馬に対応できるかなどが種牡馬として成功するかどうかのカギと言われている。ただし、持っている身体能力や他の馬に噛みつきに行こうとするほどの闘争心が上手く産駒にも伝われば、自身のような強烈な能力・個性を持った馬が登場しても不思議ではなく、そうした産駒の登場が期待される。
ゴールドシップの血統
ステイゴールド | サンデーサイレンス |
---|---|
ゴールデンサッシュ | |
ポイントフラッグ | メジロマックイーン |
パストラリズム |
ゴールドシップの競走馬成績
競走名 | 着順騎手 |
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2歳新馬 | 1着(秋山真一郎) |
コスモス賞 | 1着(秋山真一郎) |
札幌2歳S | 2着(安藤勝己) |
ラジオNIKKEI杯2歳S | 2着(安藤勝己) |
共同通信杯 | 1着(内田博幸) |
皐月賞 | 1着(内田博幸) |
東京優駿 | 5着(内田博幸) |
神戸新聞杯 | 1着(内田博幸) |
菊花賞 | 1着(内田博幸) |
有馬記念 | 1着(内田博幸) |
阪神大賞典 | 1着(内田博幸) |
天皇賞(春) | 5着(内田博幸) |
宝塚記念 | 1着(内田博幸) |
京都大賞典 | 5着(内田博幸) |
ジャパンカップ | 15着(内田博幸) |
有馬記念 | 3着(R.ムーア) |
阪神大賞典 | 1着(岩田康誠) |
天皇賞(春) | 7着(C.ウィリアムズ) |
宝塚記念 | 1着(横山典弘) |
札幌記念 | 2着(横山典弘) |
凱旋門賞 | 14着(横山典弘) |
有馬記念 | 3着(岩田康誠) |
AJCC | 7着(岩田康誠) |
阪神大賞典 | 1着(岩田康誠) |
天皇賞(春) | 1着(横山典弘) |
宝塚記念 | 15着(横山典弘) |
ジャパンカップ | 10着(横山典弘) |
有馬記念 | 8着(内田博幸) |
ゴールドシップの種牡馬成績
2019年に初年度産駒がデビューしており、初年度産駒から重賞(札幌2歳S)勝利馬を輩出するなど上場の滑り出しを見せている。なおその後初年度産駒から牡馬は日本ダービー(ブラックホール:7着)に、牝馬はオークス(ウインマイティー:3着)にそれぞれ出走馬を送り込んでいる。また2年目の産駒からはオークスを制したユーバーレーベンを輩出しており、産駒の評価が高まっている。
競走馬情報
生年月日 | 2009年3月6日 |
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性別 | 牡馬 |
毛色 | 芦毛 |
通算成績 | 28戦13勝 |
主な勝ち鞍 | 皐月賞、菊花賞、有馬記念、天皇賞・春、宝塚記念 |
所属厩舎 | 須貝尚介(栗東) |
生産者 | 出口牧場 |