ゲストハウスとは
ゲストハウス(Guest House)とは主に相部屋を中心とした簡易宿泊所の事を指す。ただし簡易宿泊所とは言ってもリビングのようなくつろげるスペースがある所やパソコンが供えられた所や場所によってはバーなどが併設されている所があるなど、タイプは施設により様々である。
こうした部屋や風呂・キッチンなどをシェアするスタイルの宿はもともと海外で人気が高く、その後インバウンド需要もあり日本でも広まった。なおゲストハウスは海外ではホステル(Hostel)という呼び名が多く、ゲストハウスという呼称で呼ばれる事は多くない。また日本では建物を借り切って行う結婚式のこともゲストハウスウェディングと呼ばれているため混同しないように注意が必要。
概説
ゲストハウスはドミトリー(dormitory)と呼ばれる相部屋を基本とした宿泊所で、ドミトリーの客室は二段ベッドが使われる所が多い。
ドミトリーには4人部屋や8人部屋、10人部屋などがあり、多い所では16人部屋さらにはそれ以上のところなどもある。また基本的には男女別だが、男女混合のドミトリーも特に海外では多い。
宿泊客には短期だけではなく長期滞在者も多く、キッチンなどが共用となっている施設もあり、キッチンで自炊をする人も少なくない。さらに海外のゲストハウスでは洗濯場を併設している所も多く、バックパッカーが溜まった洗濯物を洗ったり、それを屋上で干したりする。時に、旅人同士で夕飯などを沢山作ってシェアする時もあり、そのご飯のことはシェア飯と呼ばれたりもする。
ゲストハウスで働いているスタッフは地元情報を熟知した人が多く、特にお金を掛けないで旅をする人にとってはオススメの観光スポット・お店や飲食店など有益な情報が多い。ただし、ホテルなどを展開している会社が運営しているゲストハウスや共有スペースを設けていないゲストハウスはそういった客とスタッフのコミュニケーションなど、距離が近いことは少ない(後述)。
メリット
ゲストハウスを利用する利点としては何よりも宿泊費用が安くあげられる所にある。
日本のケースで言えば、例えばホテルは1泊につき施設にもよるが5千~1万以上費用がかかってしまう。ただしゲストハウスの場合は2,3千円台の宿は珍しくなく、沖縄などでは1千円以下の宿や2千円台で宿泊が可能な施設も多い。また海外の場合は先進国であれば日本と似た価格帯で提供されるケースが多いが、発展途上国などでは数百円の所もあるなど価格帯にはバラつきがある。ただ、こういった価格の安さが長期で宿泊する人が多い大きな要因となっており、さらにゲストハウスによっては長期宿泊割引を行う所もある。
またゲストハウスではシャワー、トイレ、Wi-Fi設備、などが共用ではあるが使用可能な施設がほとんどで、場所によっては前述した通り洗濯機(有料が多い)が使えたり朝食などが付く宿もある。旅行中は外出時間が多いと考えられるため、宿は必要最低限のサービスのみで良いことも少なくないため、そうした方にとってはお得な施設だと言える。
また、ゲストハウスではスタッフや同じ宿泊客も含め様々な情報収集が可能である。ホテルなどではローカル情報(深夜長距離バスの時刻表やおすすめの観光スポット等)までサポートする所は少なく、この点もゲストハウスのメリットだと言える。また宿泊者に旅慣れた人が多く、普段は知り合えないような旅行者と出会えたりもする。
デメリット
ゲストハウスのデメリットとしてはプライバシーが確保されない点(ドミトリー使用時)が挙げられる。
特に相部屋の場合は他の宿泊客の就寝時のいびきや音漏れ、室内の電灯が照らされる等、プライベートな空間であれば発生しない出来事が相部屋のために起こり得る。またシングルルームの場合でもシャワーやトイレが共有の場合もあり、その場合客室内ではプライバシーは保たれても、それ以外は異なるということも考えられる。
他では、施設によっては盗難などの危険性もあるため、この点も通常のホテルに比べリスクは高いと言える。また個人で運営しているゲストハウスも多く、多くのケースにおいて設備に投資ができず、結果として男女混合のドミトリーを用意しているところもある。
また、修繕に関しても費用をかけれていない施設も多く、シャワーの出が悪い、シャワー時間が限られている、Wi-Fiが届かないといったケースも珍しくない。特に海外のゲストハウスには日本では考えられないが、水シャワーや電気シャワーという施設も存在する。また基本的にタオルなどは持参するか、レンタル又は購入の形になる所が大半で、シャンプーやボディーソープも備え付けられていない所が多い。また、歯ブラシ・歯磨き粉なども持参が基本必要になる。イメージとしてはLCCのようにアメニティをはじめとする各種サービスは極力排除された形式になる。
ゲストハウスの予約
現在ではほとんどのゲストハウスがエクスペディアなどの旅行予約サービス(OTA)に登録しており、そこから宿泊予約を行う事が出来る。中でもゲストハウスに特化したWEBサービスがhostel world(ホステルワールド)であり、ゲストハウスが勃興期の頃からバックパッカーを中心に多く利用されている。なお予約自体は基本的にクレジットカードが必要になってくるため持っていない場合は注意が必要。
またゲストハウスの中には多くの独立系ホステルがあり、そうした宿では上記のようなWEBサービスに登録していない事もある。その場合は施設のウェブサイト(あれば)またはe-mailや直接訪問して予約を取る必要がある。なお人気の宿であれば施設サイトのみで埋まることが多く、そういった宿であれば旅行予約サービスよりもまずは施設のウェブサイトをチェックすることが先決になってくる。