
ハーツクライとは
ハーツクライ(Heart's Cry)は日本の元競走馬であり現在は種牡馬として活躍している馬。主な勝ち鞍として有馬記念やドバイシーマクラシックがあり、他には日本ダービーの2着やキングジョージ6世&クイーンエリザベスダイヤモンドステークスの3着などの成績を残している。
競走馬としてのハーツクライ
ハーツクライは社台ファームが生産した競走馬で、栗東の橋口弘次郎厩舎に所属することになる。デビューは遅く3歳1月の新馬戦がデビュー戦となり無事にデビュー戦を勝利で飾る。その後格上挑戦で重賞であるきさらぎ賞へ向かうも3着に敗退し、続戦となった若葉Sで勝利し皐月賞へ向かうが皐月賞では見せ場無く、14着に敗退してしまう。
仕切り直しの一線としてハーツクライはそのまま続戦し京都新聞杯に向かいここで勝利を収める。使い詰めではあったものの、タフに連戦をこなしながら実力をつけたハーツクライは次走に日本ダービーを選択する。迎えた日本ダービーではNHKマイルカップを圧巻の勝利を収め評価を高めていたキングカメハメハを相手に真っ向勝負となるが、惜しくも2着に敗退する。
ここで陣営は休養を選択し秋に備えることになる。夏を越し成長したハーツクライが初戦に選んだのは神戸新聞杯で、ここでもキングカメハメハと激突する。レースはキングカメハメハ、ケイアイガードに後れを取り3着に敗退すると、本番の菊花賞でも7着に敗退、そのままジャパンカップと有馬記念に向かい、10着、9着と敗退して3歳のシーズンを終了する。
4歳になったハーツクライは復帰初戦に大阪杯を選択しサンライズペガサスの後塵を喫してしまう。続く天皇賞・春では5着、宝塚記念ではスイープトウショウの2着とあと一歩で勝利に届かない時期が続く。
その後ひと夏を越したハーツクライは前哨戦を使わずに直接天皇賞・秋に向かい6着に終わるものの、次走のジャパンカップでは当時の日本レコードである2分22秒1を記録してアルカセットをあと一歩まで追い詰めた2着になる。そして次走は有馬記念になるが、同レースにはハーツクライの一世代下にいたディープインパクトが出走を予定していた。
戦前は無敗で三冠を制したディープインパクトが断然の人気を集めていたが、レースでは強気に前々でレースを進めたハーツクライがディープインパクトの追い上げを封じ込めて勝利。ハーツクライにとって初めてのGI勝利になった。
翌年5歳になったハーツクライは国外にレースを求め転戦することになる。まずはドバイで行われたドバイシーマクラシックに出走し見事優勝を飾る。この時点で国内外での評価が高まり、ハーツクライは次走にイギリスで行われているキングジョージ6世&クイーンエリザベスダイヤモンドステークスに出走することになった。
レースでは前年の凱旋門賞馬ハリケーンランと同年のドバイワールドカップを制している名中距離馬エレクトロキューショニストとの三つ巴の戦いとなり、惜しくも3着に敗れてしまう。ただし、イギリスの最高峰ともされるレースで見事なたたき合いを見せて善戦したハーツクライへの評価は高く、ディープインパクトを下した有馬記念以上にこのレースを評価する声もある。
その後日本に帰国したハーツクライではあったが、出走予定のジャパンカップ前に喘鳴症であることが発表されるなど体調不安がささやかれ、レースでもディープインパクトの10着に敗退してしまう。この敗退後に引退が決定した。
種牡馬としてのハーツクライ
種牡馬としてのハーツクライは大成功を収めていると言え、自身同様中長距離にかけてGI馬を多数輩出している。特に種牡馬2年目の産駒であるジャスタウェイは、4歳の夏を越して急成長を遂げてGIを勝利し、翌年には父親と同様にドバイのGI競争を優勝している。種牡馬としては同年代にディープインパクトやキングカメハメハがおり、種牡馬として活躍している中でハーツクライ自身も成功をしているという点は、種牡馬としての能力の高さの証明になると言えるだろう。
ハーツクライの血統
サンデーサイレンス | ヘイロー |
---|---|
ウィッシングウェル | |
アイリッシュダンス | トニービン |
ビューパーダンス |
ハーツクライの競争成績
競走名 | 着順(騎手) |
---|---|
3歳新馬 | 1着(武豊) |
きさらぎ賞(GIII) | 3着(幸英明) |
若葉S(OP) | 1着(安藤勝己) |
皐月賞(GI) | 14着(安藤勝己) |
京都新聞杯(GII) | 1着(安藤勝己) |
東京優駿(GI) | 2着(横山典弘) |
神戸新聞杯(GII) | 3着(武豊) |
菊花賞(GI) | 7着(武豊) |
ジャパンC(GI) | 10着(武豊) |
有馬記念(GI) | 9着(横山典弘) |
大阪杯(GII) | 2着(横山典弘) |
天皇賞(春)(GI) | 5着(横山典弘) |
宝塚記念(GI) | 2着(横山典弘) |
天皇賞(秋)(GI) | 6着(C.ルメール) |
ジャパンC(GI) | 2着(C.ルメール) |
有馬記念(GI) | 1着(C.ルメール) |
ドバイシーマC(GI) | 1着(C.ルメール) |
KGVI&QEDS(GI) | 3着(C.ルメール) |
ジャパンC(GI) | 10着(C.ルメール) |
ハーツクライの種牡馬成績
年 | 順位 |
---|---|
2010年 | 55 |
2011年 | 16 |
2012年 | 9 |
2013年 | 5 |
2014年 | 3 |
2015年 | 3 |
2016年 | 4 |
2017年 | 4 |
2018年 | 3 |
2019年 | 2 |
競走馬情報
生年月日 | 2001年4月15日 |
---|---|
性別 | 牡馬 |
毛色 | 鹿毛 |
通算成績 | 28戦13勝 |
主な勝ち鞍 | ドバイシーマクラシック、有馬記念 |
所属厩舎 | 橋口弘次郎(栗東) |
生産者 | 社台ファーム |