キングカメハメハとは
キングカメハメハは米国で受胎した母馬(マンファス)が日本に輸入され、日本で誕生した持ち込み馬。競走馬としてはNHKマイルカップと日本ダービーの変則二冠を達成し種牡馬としてはロードカナロアやドゥラメンテ、アパパネ、レイデオロなど多くの活躍馬を世に輩出した。2019年に免疫機能の低下により種牡馬を引退していたが、体調は回復せず8月9日に死亡した(18歳没)。
競走馬としてのキングカメハメハ
本馬は輸入馬で2001年にセレクトセールにて7800万円で取引されている。当時より馬体のバランスと性格が高く評価されていたが、特段目立った動きはしていなかったとのこと。
その後、キングカメハメハは栗東の松田国英厩舎に所属し3歳の11月16日にデビューした。1800mのデビュー戦を危なげないレースぶりで勝利、続くエリカ賞も連勝し評価が高まった。しかし年が明けて続戦となった京成杯では生涯唯一となる敗北(3着)を喫してしまう。その後、一旦休養を経て復帰戦となる毎日杯を快勝すると、一般的なセオリーである皐月賞には目もくれず陣営は次走にNHKマイルカップを選択する。
なお、この時点でダービーは既に視界に入っており、短期間でのGIの連戦と言うタフな道のりを陣営は目指していた。このNHKマイルカップから日本ダービーへ向かうローテーションはいわゆる松国ローテと呼ばれ、管理する松田国英調教師が重視していた競走馬の評価を高めるための選択でもあり、以前に管理していたクロフネやタニノギムレットでも同様のローテーションで臨んでいたがいずれの馬も両レースともに勝利することは叶わなかった。そうした経緯もあり、キングカメハメハには期待が寄せられていたが、最初の関門であるNHKマイルカップを後続に5馬身もの着差をつけレースレコードで勝利し次なる目的である日本ダービーに望むことになる。
日本ダービーでは主戦である安藤勝己ジョッキーが事前に自信満々と語っていたように、タフな日程にも関わらず全く隙を見せない走りを見せ見事に優勝を果たす。なお、この時の走破タイム2分23秒3は当時のレースレコードを記録であった。
これにより、松田国英調教師が描いていた最強馬としてのタイトルを手にしたキングカメハメハは夏を休養に充てる。秋の復帰初戦には神戸新聞杯を選択し快勝し、上々の滑り出しを見せたキングカメハメハだったが、次走に予定していた天皇賞・秋を目指している調整中に屈腱炎を発症してしまい、そのまま引退する事になった。
種牡馬としてのキングカメハメハ
マイルから中距離まで幅広くこなし、またサンデーサイレンスの血も入っていないことからキングカメハメハの馬産地での人気は高く、瞬く間に人気種牡馬の仲間入りを果たした。産駒が実際にデビューしてからも3冠馬となったアパパネやジャパンCを勝利したローズキングダムなどをいきなり輩出し2010年、2011年にはリーディングサイヤーに輝いている。
その後もエアグルーヴを母に持つルーラーシップや短距離王ロードカナロア、父とは異なる王道の二冠馬であるドゥラメンテや名牝シーザリオとの仔であるリオンディーズ、またはダートのタイトルを多数獲得したホッコータルマエやべルシャザールなど様々なフィールドで活躍する馬を輩出し続け血統を広げている。
ディープインパクトの台頭もありリーディングサイヤーに輝くことは多くなかったが、個性あふれる名馬を多く登場させた功績は大きく、近年の日本の競馬界にとっても与えた影響はとても大きかったと言える存在。
キングカメハメハの血統
キングマンボ | ミスタープロスペクター |
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ミエスク | |
マンファス | ラストタイクーン |
パイロットバード |
キングカメハメハの競走馬成績
レース名 | 着順 |
---|---|
2歳新馬 | 1着(安藤勝己) |
エリカ賞 | 1着(武豊) |
京成杯 | 3着(D.バルジュー) |
すみれS | 1着(安藤勝己) |
毎日杯 | 1着(福永祐一) |
NHKマイルC | 1着(安藤勝己) |
東京優駿 | 1着(安藤勝己) |
神戸新聞杯 | 1着(安藤勝己) |
キングカメハメハの種牡馬成績
年 | 成績 |
---|---|
2008年 | 52 |
2009年 | 9 |
2010年 | 1 |
2011年 | 1 |
2012年 | 2 |
2013年 | 2 |
2014年 | 2 |
2015年 | 2 |
2016年 | 2 |
2017年 | 2 |
2018年 | 2 |
2019年 | 6 |
2020年 | 5 |
競走馬情報
生年月日 | 2001年3月20日 |
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性別 | 牡馬 |
毛色 | 鹿毛 |
通算成績 | 8戦7勝 |
主な勝ち鞍 | 日本ダービー、NHKマイルカップ |
所属厩舎 | 松田国英(栗東) |
生産者 | ノーザンファーム |