クロフネとは
クロフネ(Kurofune)は1998年3月31日にアメリカ合衆国で生まれた元競走馬であり、現種牡馬。社台スタリオンステーションに繋養され活躍馬を多数輩出している。現役時代の通算成績は10戦6勝。
競走馬としてのクロフネ
クロフネはアメリカ合衆国で生まれ、その後日本に輸入され調教された外国産馬となる。2歳(旧馬齢、以下同)のセリで見初められ購入され日本のノーザンファームにやってくることになった。
3歳時に松田国英厩舎に入り順調にデビューを果たすも初戦はエイシンスペンサーの2着に敗れる。折り返しの新馬戦を快勝すると、続くエリカ賞では2歳レコードを記録し圧勝する。翌年からクロフネのような外国産馬にも日本ダービーの出走権が与えられる事になっていたこともあり、この時点でクラシックの有力候補とされた。3歳の最終戦となったラジオたんぱ杯3歳Sでは1番人気に支持されるがレースではアグネスタキオンの驚異的な末脚に屈し、また、もう一頭の評判馬ジャングルポケットにも交わされ3着となり、この年を終える。このレースは上位3頭が翌年にGIレースを勝利する事から伝説的な一戦として語られている。
明けた4歳の春シーズンは毎日杯から指導し、持ったままの状態で2000mを1分58秒6のタイムで大楽勝し能力の違いを見せつけた。その後NHKマイルカップから日本ダービーに向かうローテーションが発表され、当時としては前代未聞のローテーションであったため様々な意見が飛び交う事になった。ちなみにこの年から外国から輸入され日本で競争を行う競走馬(いわゆるマル外)が日本ダービーに出走できるようになっており、出走条件としてNHKマイルカップ2着以内という条件があった。そのNHKマイルカップを勝利し晴れて迎えた日本ダービーでは、詰まったローテーションまたは距離が堪えたのか5着に終わってしまう。
夏を休養に充てたのち、秋は神戸新聞杯から指導したクロフネだったが、エアエミネムの末脚に敗れてしまい3着からのスタートとなる。
その後のローテーションが注目されたが陣営は天皇賞秋を選択する。天皇賞秋へ出走予定の外国産馬としては2枠しか無かったものの獲得賞金順で問題が無いとみられてクロフネは調整していたが、直前になってダートが主戦場で活躍していたアグネスデジタルが天皇賞に出走を表明し、クロフネはローテーションの変更を余儀なくされる。
翌年以降にダートへの挑戦も視野に入れていた陣営は武蔵野Sを選択したところ、レースでは他の馬とは次元が違う走りを見せ圧勝。ダートの1600mで記録した1分33秒3というタイムはJRAレコードを大幅に更新する記録だった。
この勝利によりダートに進路を見出し次走はジャパンカップダートに出走し、このレースも外国馬も含め、他馬を全く寄せ付けず勝利する。これらの勝利により日本では翌年以降のドバイW杯の勝利などを期待する声が上がっていたが12月に入り屈腱炎を発症し引退が決まった。
種牡馬としてのクロフネ
種牡馬としてのクロフネはスリープレスナイトやカレンチャンに代表されるようにスピードタイプの馬で活躍が目立つ。その分堅実に勝ち上がる産駒が多く、サイアーランキングにもそれが表れている。一方で自身が果たせなかったクラシック競争を優勝する馬は2019年7月時点では現れてはいない。
クロフネの血統
フレンチデピュティ | デピュティミニスター |
---|---|
ミッターランド | |
ブルーアヴェニュー | クラシックゴーゴー |
エリザブルー |
クロフネの競走馬成績
競走名 | 着順 |
---|---|
3歳新馬 | 2着(松永幹夫) |
3歳新馬 | 1着(松永幹夫) |
エリカ賞 | 1着(松永幹夫) |
ラジオたんぱ杯3歳S | 3着(松永幹夫) |
毎日杯 | 1着(四位洋文) |
NHKマイルC | 1着(武豊) |
東京優駿 | 5着(武豊) |
神戸新聞杯 | 3着(蛯名正義) |
武蔵野S | 1着(武豊) |
ジャパンCダート | 1着(武豊) |
クロフネの種牡馬成績
年 | 成績 |
---|---|
2005年 | 76 |
2006年 | 25 |
2007年 | 10 |
2008年 | 5 |
2009年 | 5 |
2010年 | 3 |
2011年 | 2 |
2012年 | 5 |
2013年 | 8 |
2014年 | 9 |
2015年 | 7 |
2016年 | 6 |
2017年 | 7 |
2018年 | 10 |
競走馬情報
生年月日 | 1998年3月31日 |
---|---|
性別 | 牡馬 |
毛色 | 芦毛 |
通算成績 | 10戦6勝 |
主な勝ち鞍 | ジャパンCダート、NHKマイルC |
所属厩舎 | 松田国英(栗東) |
生産者 | ニコラス.M.ロッツ |