ルアーとは
ルアー(Lure)は釣りで使う疑似餌のこと。直訳すると騙すとか誘うという意味になり、餌の代わりに魚の目の前を通して釣る物になる。
ルアーそのものは、湖に落とした食事に使うスプーンを魚が咥えたことに由来する。餌釣りに代わるものとして作られた物が多く、投げて引くと、小魚が逃げまどうように、或いは小魚が泳ぐように左右にユラユラと動く。
カラーリングも、小魚のように銀色でキラキラしたものから、どう見ても自然界には存在していないだろう派手な物も多く、魚が食性だけでルアーに食いつくのではないことが証明されている。魚は食性以外にも好奇心や、縄張り意識を刺激することでもルアーに食いつくと言える。
例えば、ブラックバスを釣るルアーには、どう見ても餌になる魚や虫には似ても似つかない物が多く、オモチャの様なデザインのものであったりするが、これなどもただの木片が水面に落ちた時にブラックバスが咥えたことを見た人が、ブラックバスの習性を発見して開発したものだと考えられる。
ルアーの種類
スピナー、スプーン、プラグ、プラスチックワーム、ジグといった種類があり、大きさ、形、カラーはほぼ無限に存在すると言える。対象魚に合わせて実に多くのルアーが作られており、また毎年、新しいデザイン、動き、カラーのものが世界中で作り続けられている。
ルアー釣りの原理
何故、魚がルアーに食いつくか?という問題は、今持って決定的な理由は解明されていない。そのためこれが必ず釣れるルアーというものも同様に存在しない。
今のところ魚がルアーに食いつくのは、主に三つの理由が考えられる。
一つは食性で、魚が日頃から食べている餌に似ている、餌の動きに近いことで、騙されて咥えてしまう。
もう一つは好奇心になり、何か見たことのないものが動いていて、もしかしたら食べられるかも知れないし、魚の好奇心を煽るような動きや色を持っていると、魚は口で咥えてみるか、尾で叩く以外にその対象物が何かを知る手段はない。食べるためではなくそのものが何なのかを知る意味で咥えてみるということが考えられる。
最後に魚は一定程度の範囲の縄張りを持つ性質の魚があり、自分のテリトリーに入ってきた侵入者を攻撃する意味で口に咥える場合もある。また、産卵期になると産卵床を守る、あるいは産み落とした卵を守るという意味で侵入者を攻撃する場合があり、その時もやはり口を使う。日本では鮎の友釣りがこれに該当し、縄張りに入ってきた侵入者に体当たりする鮎の習性を利用した釣り方になる。
ただし、友釣りはルアーではなく本物の鮎を使用する。これら一連のルアー釣りの原理を知ることで、一層の楽しみの幅が広がることにも通じる。