捲る(競馬)

捲る(まくる)とは

競馬において、まくるとはレースにおける戦法の一つでレースの中盤から後半において他の馬を外側から追い越して前に進出することを指す。一気に上がって行くこともあればじわじわと前進を始めることもあり、その場合はまくり気味に上がっていくと表現されることもある。

特徴

まくる(まくり)戦法を取る馬の多くはスタートダッシュが得意ではなかったり馬込みを嫌がることが多く、そうした馬たちは馬込みを避けるため、レースを馬が殺到する内側のコースではなく外側のコースや、馬が比較的少ない後方のポジションから進める事が多くなる。

まくると言われるケースの多くはそうした馬たちがレースの終盤、位置で言えば3角から4角にかけてスピードを上げて他の馬を追い抜いて行く事を指す事が多い。また似た戦法の一つに差しや追い込みがあるが、相違点としてはレースにおいて道中は馬群の中盤に位置して機会を伺い4角から直線にかけて脚を伸ばす戦法の差し、道中は後方に位置して4角から最後の直線でパワーを全開にする追い込みに対し、まくる場合はその少し前の段階からスピードを上げ始めることになる。ただし差しや追い込みにおいても3角〜4角にかけてまくり気味に進出してレースを進めることもあり、それらに明確な差異があるわけではない。

一般的に第3コーナーや4コーナーのポジション取りは最終的なレースの順位に繋がりやすいと考えられているため、まくる理由としては最後の直線に到達した時に勝負になる(とされる)位置にポジションを上げておきたいという理由からになる。また、レースのペースがスローペースなどで前にいる馬が楽をして走っている場合、そのまま逃げ切られてしまうこともあるため、先行馬に圧力をかけるという意味でもまくり戦法は使われる。

他ではストライドが大きく一瞬でスピードをあげる事が難しい馬は馬群の中の狭いスペースを進んだ場合進路をカットされたり、抜け出すのに手間取ってしまうため、前が空いた時には時すでに遅しということになったりもするため、距離をロスしてでも外を回し前進した方が力が発揮出来るという側面もある。

一方で、まくる事によるデメリットとしては外を回って他の馬を追い抜いていくため必然的に距離を大きくロスしてしまうことが挙げられる。またコーナーワークで勢いが良すぎてカーブを曲がる際に外に膨らんでしまい、最後の直線で再度加速するまでに、一度体勢を立て直すという事を強いられる馬もいる。また、まくったことで4角で良い位置につけたものの、脚を使ってしまった結果直線半ばでへばってしまい、最終的には自身よりも後ろから来た馬に交わされるというケースも少なくない。

そのため、まくり気味に進出し前を走っていた馬を追い抜いた上に、後続から来た馬を振り切るというレースが出来る馬は能力が他の馬と比べて抜けており、こうしたレースを取ることを横綱相撲と表現することもある。

なお、まくるという表現は競馬に限らず競輪や競艇など他の公営競技や一般の陸上競技などでも使われる用語になり、意味としては競馬と同様で外側から追い抜いて進出することになる。

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