百舌鳥・古市古墳群

百舌鳥・古市古墳群とは

百舌鳥・古市古墳群(もず・ふるいちこふんぐん)は大阪府堺市(百舌鳥)と羽曳野市、藤井寺市(古市)にある日本を代表する古墳群である。古墳時代の埋葬の伝統や、社会的構造などが評価されたことにより、アゼルバイジャンの首都、バクーで開催されたユネスコの世界遺産委員会にて、2019年7月6日に百舌鳥・古市古墳群は世界文化遺産に登録された。国内の文化遺産の19件目で、自然遺産も含めると23件目となる。天皇や皇族が埋葬されている『陵墓』が世界遺産に登録されることは初めてのことである。

概説

百舌鳥・古市古墳群は、古墳時代の最盛期である4世紀後半~6世紀前半にかけて200基以上の古墳が築造された古墳群である。古墳群は当時、政治や文化が盛んな大阪府南部地域に築かれた。古墳は様々な形をしており、大きさも全て異なる。鍵穴のような形状の、最も有名な『前方後円墳』、前方が著しく短い、帆立貝のような形状をしている『帆立貝形古墳』、土を円形に盛り上げて形成した、日本で最も多く存在する『円墳』、四角形の形状をしており、日本で円墳に次いで多く存在する『方墳』の4種類がある。古墳の中で最も名の知られている、大阪府堺市にある『仁徳天皇陵古墳』は、長さ486メートル、高さ35メートルもある国内最大の前方後円墳である。この巨大な古墳を作るために、1500人もの労働者によって作られたともいわれている。仁徳天皇陵古墳の大きさから、エジプトの『クフ王のピラミッド』、中国の『始皇帝陵』と共に、『世界三大墳墓』として数えられている。第16第仁徳天皇が埋葬されており、仁徳天皇陵古墳周辺にはニサンザイ古墳、御廟山古墳、いたすけ古墳など多くの前方後円墳がある。さらに周辺には、中~小規模の古墳も存在しており、大きさ=埋葬者の地位や権力の階層を表している。現在は第二次世界大戦後の都市化の進展などによって、ほとんどの古墳が失われてしまった。

百舌鳥・古市古墳群の特徴

百舌鳥・古市古墳群は、堺市と羽曳野市、藤井寺市にある、古墳群49基で構成されている。堺市の百舌鳥エリアには23基の古墳があり、羽曳野市、藤井寺市の古市エリアには26基の古墳が存在する。一部の古墳は『天皇の墓』として宮内庁が管理しており、中に入ることが禁止されている。古墳全体を地上から見ることができないため、上空から古墳を一望できるヘリコプターでの古墳群遊覧のイベントなども開催されている。

アクセス(※仁徳天皇陵古墳)
南海高野線堺東駅より南海バス(あみだ池行)→
堺市博物館前下車→徒歩2分

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