オンプレミスとは
オンプレミス(on-premises)はサーバを運用する方法の一つで、企業がサーバを購入(またはリース等)から保守まで自前で全て管理することを指す用語。社内で使用する独自のシステムなどを導入することが容易で、自前のサーバのためカスタム性が高く思い通りに管理出来る。自社に最適化するために取り入れている方法でサーバのみならずネットワーク(機器)、ソフトウェアなどの設備等を自社で導入、運用していくスタイルが多い。
オンプレミスのメリットとデメリット
以前までは自社でITインフラを用意する事が一般的になっており、オンプレミスは特段珍しい形態では無かった。ただし外部が管理を行い、使いたい部分のみ利用する形態であるクラウドサービスが急速に普及した現在では、オンプレミスはクラウドの対比として語られるようになっている。なおオンプレミスのサーバについては自社で用意したサーバ、事業者に預けるハウジング、サーバをレンタルするホスティングという形式が一般的になっている。
オンプレミスの利点としては、前述した通りカスタムが自由で自社のネットワークであるためセキュリティも担保でき、社内システムの連携も容易な点が挙げられる。さらに、技術力があれば現場に合わせたカスタムを実装することが可能なため、自社のニーズに即したシステム開発・運用がしやすい。
一方でオンプレミスの短所としては初期コストが膨らむほか、構築までの日数も自前(あるいは関連会社なども含む)で行うため、長いものでは数か月かかったりする。また、なんらかの障害が発生した場合も自社内で対応する必要がある。
他ではサーバ、ネットワーク機器、ソフトウエアなどかかる機器をすべて自社で用意する必要があるため、イニシャルコストが高額になるケースが多い。これら全体でかかるコスト、ベンダー保守費用、サーバ保守、専任担当者の人件費、サーバルームの警備用システム運用するコスト、サーバルームの家賃、サーバールームの光熱費などランニングコストも大きい。そのため費用を算出する際には最終的に同じサーバを複数年使うとした場合に全体のコストがどれぐらいか考えたコスト計算が必要になる。
また、オンプレミスの場合はすぐに環境を構築することは難しく、環境構築においてサーバ、ネットワーク機器などハードウエアの「調達にかかる期間」の見積もりも必要な所になる。
クラウドのメリットとデメリット
オンプレミスと比較した場合、クラウドのメリットはコストになる。クラウドはそもそも機器を調達する必要がなく、仮に当初の試算が甘かったとしてもサーバの台数や、スペックもオンライン上ですぐに変更できることが多いため、環境構築にかかる時間が圧倒的に短く、費用も安価に抑えられる。
ただし、デメリットとしてはカスタムの自由度が低く、また契約するプランによっては他のユーザーとサーバを共有することもあるなど、セキュリティに弱い側面がある(そもそもサーバ提供事業者にエラーが起きた場合は自社主導で修正することが難しい)
また、提供者によっては社内のシステムとの連携が難しく、仮に連携できたとしてもクラウド先のシステムアップデートでいきなり使えなくなったりするなど運用リスクとしても高い。