西芳寺(苔寺)

西芳寺(苔寺)とは

西芳寺は京都府京都市にある寺院で、『古都京都の文化財』における対象施設の一つとして、1994年12月にユネスコの世界遺産に登録された。

概説

『西芳寺』は奈良時代の創建された寺院であり、約1300年前に行基が開山した。飛鳥時代、西芳寺がある場所には、聖徳太子の別荘が建てられていたと言われている。奈良時代に別荘を寺院に改めることによって『西方寺』(※のちの『西芳寺』)が開創された。鎌倉時代には西芳寺は荒廃してしまうが、1339年に高僧であり、日本初の作庭家でもあった『夢窓疎石』によって禅寺として再興した。しかし、その後『応仁の乱』によって西芳寺は焼失し、1485年には洪水の被害を受ける。本願寺の足利義政や蓮如よって復興するが、江戸時代に入ると再び2度の洪水の被害を受けた西芳寺は荒廃した。そして1878年に再興されて、昭和時代に入り、1928年からは一般公開もされるようになるが、1977年より一般の拝観が中止となって以降、完全予約制となり現在に至っている。

西芳寺の特徴

『西芳寺』は、臨済宗の仏教寺院であり、1952年に国の特別名勝に指定されている。西芳寺に訪れると、まず『本堂』で説法を聞き、写経を行う。その後、願いを込めた写経は永久奉納され、写経庭園に向かうことができる。別名『苔寺』と呼ばれるほどに庭園は苔に覆われており、苔は約120種類存在する。季節によって色合いの変化も楽しむことができるが、苔の最も美しい時期は梅雨である。庭園は上段、下段の二つに分かれており、上段は『枯山水式庭園』があり、日本最古の枯山水の石組を見ることができる。下段は『池泉廻遊式庭園』があり、黄金池という西芳寺庭園の本池があり、心の字を象っていることから『心字池』とも呼ばれている。また黄金池の中には、朝日ヶ島・夕日ヶ島・長島の3つの島が浮かんでおり8つの橋が架けられている。庭園内には、国の重要文化財に指定されている茶室、『湘南亭』があり、千利休の息子『千少庵』によって建立された。岩倉具視が幕末に隠れていた場所としても知られている。枯山水式庭園には開山堂である『指東庵』が建っており、すぐ横に座禅石がある。この座禅石で夢窓疎石が座禅していたと言われている。

拝観時間
※一日一回のみ開門、往復ハガキによる事前申し込みが必要
10時00分~(7月~9月 午前の部)
13時00分~(10月~6月 午後の部)

参拝冥加料
3000円以上

アクセス

京都駅よりバス(京都バス73系統)→約60分
『苔寺・すず虫寺』下車より徒歩→3分

駐車場:なし

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