札幌ドーム

札幌ドームとは

札幌ドームは北海道札幌市豊平区にある多目的ドームスタジアム。プロ野球チームである北海道日本ハムファイターズとサッカークラブであるコンサドーレ札幌のホームスタジアム。運営に関しては札幌ドームの施設は札幌市が所有しており、札幌市と道内の各社が出資する第三セクターである株式会社札幌ドームが運営管理業務を行っている。なお開場は2001年6月2日。

概説

札幌ドームは1992年に10年後の日本単独開催を目指していた「2002 FIFAワールドカップJAPAN」構想をJFA、日本政府が表明したことにより札幌市が開催地に立候補し招致を決めた。この背景としてはその前に東札幌ドーム球場建設計画があり、結局実現しなかったこの計画をサッカー専用スタジアム建設として修正し復活させた形になる。
また、1992年時点では世の中は1993年のJリーグ開幕に向けて世間はブームが巻き起こっており、Jリーグ開幕後の1993年秋、札幌にJリーグチーム誘致推進特別委員会が発足、川崎の東芝サッカー部の移転誘致に成功する。これらの経緯から札幌ドームは本格的にサッカー専用スタジアムとして建設される事になった。

しかしJリーグブームは1995年には鎮静化し、更に当時JFLに所属していたサッカークラブのコンサドーレ札幌がJリーグに加盟できたとしても試合数はホームゲームが最大13試合にしかならず運営面での赤字運営の不安が露呈することになった。このため1996年の年明け早々には計画に軌道修正が行われ、札幌ドームはサッカーに限らず、野球やその他コンサートなど多目的利用を特徴にすることになった。
1997年にはドーム設計コンペによりホバリング・ステージを特徴とするスタジアムになることが決定され、2001年(平成13年)5月に札幌ドームは完成した。

完成後は前述したコンサドーレ札幌の本拠地として使用され、2002年には日韓W杯の舞台として、2004年からは
日本ハムファイターズの一軍が東京から北海道へ移転したことで札幌ドームを本拠地として利用している。このため札幌ドームは日本では唯一の野球とサッカーのプロチームのホームスタジアムになっている。

札幌ドームの特徴

札幌ドームの特徴の一つであるホバリング・システムは人工芝と天然芝の使い分けが可能なシステムになる。サッカー用の天然芝を空気圧で浮上する広い台高座に乗せて運搬し、屋外で芝生を養生し、試合開催時などに入れる事が可能になる。
この作業時にシステムが稼働しているシーン、札幌ドームが野球場からサッカー場へと変化していく動画は海外でも話題となった。

また札幌ドームは日本を象徴するハイテク技術の詰まったスタジアムとして海外に紹介される機会も多い。特にワールドカップ開催前年の2001年には海外の多くのマスメディアが札幌ドームを取り上げている。2002年のワールドカップでは強豪国のドイツ、アルゼンチン、イタリア、そして大会前に骨折して出場が危ぶまれたイングランドのデヴィッド・ベッカムが札幌ドームで試合を行った。
興行的には成功し、3試合とも3万人を越える観客を集めたものの、札幌ドームの特徴であるクローズドアリーナは閉鎖感や息苦しさを感じると試合後にコメントを残す選手が多く、将来的な課題となった。しかしこの課題は2019年のラグビーのワールドカップ開催時にも取り上げられることになり改善されていない。

サッカーのフィールドとしての札幌ドームは、ピッチサイズは変わった特徴は持たず、JFA及びFIFAの規定内で世界標準サイズで最も多く採用されている105m×68mの規格が札幌ドームのピッチサイズとなっている。
一方、野球開催時の札幌ドームは両翼100m、センター122m、左右中間116mのフィールドサイズを持ちあわせており、グラウンドの広さでは12球団の本拠地の中で最も広く、フェンスの高さも最も高いのが大きな特徴になっている。そのためしばしば12球団の本拠地の中で最もホームランの出にくい球場として札幌ドームを挙げる人も少なくない。

また、野球とサッカー観戦ではスタジアムから見る観戦風景に差が生じるのも札幌ドームの特徴になり、野球観戦時に感じる外野及びファールグラウンドの広さはサッカー観戦時にはピッチ、選手への遠さ、距離感に置き換えられる。

但し、その他のハード面においては2002年のサッカーのワールドカップおよび2019年ラグビーのワールドカップという二度の大規模な国際大会を招致したためにFIFA、RLIFがそれぞれ求める開催基準をクリアした点からも優れた施設だと言える。

なお、アクセスに関しては地下鉄東豊線の福住駅より徒歩10分程度でアクセス出来るほか、大型イベント開催時に地下鉄平岸駅や真駒内駅などからシャトルバスが運行されている。

施設情報

正式名称 札幌ドーム
住所 北海道札幌市豊平区羊ケ丘1番地
アクセス 地下鉄東豊線福住駅徒歩10分
収容人数 42,274人(野球時)
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