下水道とは
下水道(げすいどう)は雨水や汚水を川や海に流すための施設・およびその設備の総称。主に都市部に整備されている。
概説
下水道は1800年代半ばイギリスにて整備されたことを皮切りに各国にも整備されていった。整備理由としては産業革命などにより都市部に人口が集中するようになると人々の糞尿の処理が粗雑になり、不衛生がきっかけとなって疫病などが発生するようになったためと言われる。
日本においては1884年に東京の神田に施設が作られたが、本格的に整備されたのは戦後になり、日本においても都市部人口の増加に伴い下水道施設の需要が増し普及率も高まっていった。その後、東京は2000年代には普及率がほぼ100%となっている。
特徴
下水道は主に家庭用排水や工場などから排出される汚水と雨水を処理している。
なお、この汚水と雨水のルートに関しては分離して管理・処理する仕組みを分流式、一つのルートにまとめる仕組みを合流式と呼ばれており、その地域によってどちらのタイプが採用されているか異なっている。
合流式の場合は雨水はそのまま、汚水は専用施設で処理された後で合流し、その後放出されるが大雨が降った際などは処理のキャパシティを超えてしまい、処理が行われる放出されることがある。これにより水質が悪化することが想定されるが、一方で経路が一つであるため管理・メンテナンスがしやすく整備費用も安価に抑えることが出来る。逆に分流式の場合は水質の悪化を防ぐことが容易になる一方で二系統分の整備・管理費用が発生してしまうため高価になってしまう。
家庭から出た排水の経路
排水管に流れた水は汚水ますと呼ばれる繋ぎ部を経由し下水道菅に出る。その後下水道菅を通じて水再生センターなどに集められ、そこで処理が行われたのち川や海へ放出される。下水道管は緩やかな下りとなっており、下流に行けば行くほど地中深くなる。あまりにも深くなるポイントにはポンプが設置されており、一旦地中内で組み上げられ、再度緩やかな下り坂となって運ばれていく。
合流式の場合、その後雨水と合流し下水として処理施設に送られる。処理施設では不純物を取り除き、微生物なども活用しながら下水を浄化していき、最終的に塩素消毒をした後で放流される。