空売り(金融)

空売りとは

空売り(からうり)とは保証金を元に有価証券などの対象物を借りた上で売却し、対象物が将来的に安くなった際に買い戻して返却することを目的とした信用取引における注文方法の一種。ショートやショートポジションという呼び方が一般的だが、信用売りやハタ売りとも呼ばれることもある。

概説

空売りは前述した信用取引の中でも今日では差金決済取引が主となり、差金決済取引の場合、対象物の売り買いに現物の受け渡しを行わないため単純に値段の上げ下げによる損失または利益が成果となる。

なお空売りは英語でshortと呼ばれる事から、そのままショートと呼ばれることが多い。他では単純に売りと呼ばれる事が多い。

空売りは相場が下落した際にも収益をあげる事が出来るため、現物取引とは異なり、下落相場時にも稼ぐ事が出来る手法として喧伝されるが、そう上手くいくものではない。

なお、空売りは、売りの連鎖が発生し市場が混乱を来たす恐れもあることから、金融商品によっては空売り規制を設けているものもある。

空売りの仕組み

例えば1ドル110円の時に空売りを行い、その後1ドル100円に相場が動いた時、その時点で決済すれば110円の時に借りて売って、100円で買って返すため10円の儲けになる。100ドル売っていた場合は11000円で借りて売り、10000円で返すため1000円の儲けになる。

一方で逆に1ドルが120円に上昇してしまった場合は、120円で買い、返す必要があるため10円の損になる。100ドルの場合は11000円で売って12000円で返すため-1000円になる。

また買いポジションを持っていた際に価格が下落してしまった場合、空売りをする事である意味では両建てのポジションを取ることが可能となり損失を相殺する事を狙うような、いわばリスクヘッジとして利用する局面もある。

空売りの危険性

空売りは状況に応じて有効な取引だが、一方で大きなリスクのある手法でもある。極端な例だが、例えばとある100円の価値をつけている株式銘柄の下落リスクは-100円になりそれ以上の損失は基本的には発生しない。しかし、上昇余地に関しては+100円以上になるため、もし空売りした銘柄が上昇を続けた場合、理論上損失は下落リスクの範囲を超えどこまでも膨れ上がる事になる。

また、FXの場合はスワップポイント(マイナス時)に、株の場合は貸株料がそれぞれ発生するため、時間の経過と共にこうした間接的な費用も積み増されるため大きな損失に繋がる恐れも考えられる。

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