
スペシャルウィークとは
スペシャルウィーク(Special Week)は日本の競走馬でGIレースを3勝した名馬で、現役時代は主にクラシックディスタンスと呼ばれる2400m前後のレースを中心に活躍した。2018年4月に23歳で死亡した。
競走馬としてのスペシャルウィーク
スペシャルウィークは北海道の沙流郡日高町にある日高大洋牧場にて誕生した。母馬であるキャンペーンガールは出産前に体調が悪化しており、無事本馬を出産することが出来たものの、出産後まもなくして亡くなっている。そのためスペシャルウィークは乳母馬に育てられている。
幼少期より動きの良さが目立っており、育成を担当したノーザンファーム空港牧場でも同期のグラスワンダーと共に評判が非常に高かった。
2歳になったスペシャルウィークは栗東の白井厩舎に入厩してデビューに向けてトレーニングを行う。デビュー戦は2歳(旧馬齢3歳)の暮れ11月26日にデビュー、相手を全く寄せ付けずデビュー戦を勝利すると次戦は翌年の1月の白梅賞、初戦の勝ちっぷりの良さからここでも一番人気に押されるがレースではまさかの2着、陣営はここで続戦として格上挑戦となるきさらぎ賞を選択し勝利する。続けて弥生賞に参戦し、後にGI馬となるセイウンスカイ、キングヘイローと激突するも見事に勝利を納め、この時点でクラシック最有力候補におどり出る。
迎えたクラシック第一弾の皐月賞は一番人気に支持されるも、セイウンスカイの前に破れ2着に終わる。ただしこのレースでは直前にコースの仮柵が外され内枠が有利だったのではという意見が挙がり陣営としては続くダービーへ向けて強気な姿勢を崩さなかった。
そして世代No1を決める日本ダービーに出走したスペシャルウィークはテンから暴走気味に逃げたキングヘイローや伸びあぐねるセイウンスカイを横目に5馬身差もの差をつけて優勝を果たす。ちなみにこの勝利が名手武豊騎手にとって初めてのダービーの勝利だった。
夏を休養に当てたスペシャルウィークは菊花賞の前哨戦である京都新聞杯を勝利して二冠へ向けて視界良好と見られていたが本番ではセイウンスカイに逃げ切られ2着に終わる。続けてジャパンカップに挑戦するも、ここでも同い年の強力なライバルであるエルコンドルパサーの前に破れ3着に終わってしまう。
ダービーを勝利したものの、秋は消化不良気味で終了したスペシャルウィークは、休養には入らずそのまま陣営は続戦させる事を選択、翌年1月に行われたAJCCに出走して勝利を果たすと続く阪神大賞典でも勝利を納める。勢いが戻ってきたスペシャルウィークはそのまま天皇賞・春も勝利し3連勝でGI2勝目を飾る。
春の最終戦として宝塚記念に出走するが、こちらでは同い年の怪物グラスワンダーの前に完敗してしまい、そのまま休養に入ることになった。
夏を充電期間に充てたスペシャルウィークだったが、秋の初戦である京都大賞典では7着になり、初めて着外に終わる。
次戦となる天皇賞・秋では直前の追い切りの内容が悪く、またレースでも大きく体重を落としていたため、コンディションを疑問視する声が大きかったが、レースでは見事に勝利を納め復活を果たすと、次戦のジャパンカップでも勢いのまま勝利する。この時点で年内で引退する予定になっていたスペシャルウィークは秋のGI完全制覇を狙い有馬記念に駒を進める。レースでは宝塚記念で完敗を喫したグラスワンダーとの一騎打ちとなり、最後の直線で壮絶な叩き合いになるが僅差で負けてしまう。この時、最後に勢いがあったスペシャルウィークが差し切ったと感じた武豊騎手はそのままウイニングランを行なっていたほどのわずかな差での決着だった。
種牡馬としてのスペシャルウィーク
種牡馬としてのスペシャルウィークの成績は牡馬、牝馬問わずにGI馬を排出したものの、大きな活躍を見せた馬は牝馬が多く、牡馬はダートで活躍した馬が多かった。産駒の中でもシーザリオ、ブエナビスタの両馬は鋭い末脚を武器にGIを勝利した名馬で、ファンも多かった。牡馬ではローマンレジェンド、ゴルトブリッツ、トーホウジャッカルなどがGIを勝利し、GI勝利こそなかったものの、ディープインパクトと同世代のインティライミや大物感溢れる走りでファンを魅了したリーチザクラウンなどが代表産駒にあげられる。
母父としては前述したシーザリオがエピファネイア、リオンディーズ、サートゥルナーリアなど多くのGI馬を排出しており、他ではクラリティスカイやディアドラなどが活躍している。
スペシャルウィークの血統
サンデーサイレンス | ヘイロー |
---|---|
ウィッシングウェル | |
キャンペンガール | マルゼンスキー |
レディーシラオキ |
スペシャルウィークの競走馬成績
レース名 | 着順 |
---|---|
3歳新馬 | 1着(武豊) |
白梅賞 | 2着(武豊) |
きさらぎ賞(GIII) | 1着(武豊) |
弥生賞(GII) | 1着(武豊) |
皐月賞(GI) | 3着(武豊) |
東京優駿(GI) | 1着(武豊) |
京都新聞杯(GII) | 1着(武豊) |
菊花賞(GI) | 2着(武豊) |
ジャパンカップ(GI) | 3着(岡部幸雄) |
AJCC(GII) | 1着(O.ペリエ) |
阪神大賞典(GII) | 1着(武豊) |
天皇賞(春)(GI) | 1着(武豊) |
宝塚記念(GI) | 2着(武豊) |
京都大賞典(GII) | 7着(武豊) |
天皇賞(秋)(GI) | 1着(武豊) |
ジャパンカップ(GI) | 1着(武豊) |
有馬記念(GI) | 2着(武豊) |
スペシャルウィークの種牡馬成績
年 | 順位 |
---|---|
2003年 | 179 |
2004年 | 40 |
2005年 | 7 |
2006年 | 9 |
2007年 | 8 |
2008年 | 15 |
2009年 | 7 |
2010年 | 7 |
2011年 | 12 |
2012年 | 17 |
2013年 | 22 |
2014年 | 18 |
2015年 | 37 |
2016年 | 42 |
2017年 | 77 |
競走馬情報
生年月日 | 1995年5月2日 |
---|---|
性別 | 牡馬 |
毛色 | 黒鹿毛 |
通算成績 | 17戦10勝 |
主な勝ち鞍 | 日本ダービー、天皇賞・春、天皇賞・秋、ジャパンカップ |
所属厩舎 | 白井寿昭(栗東) |
生産者 | 日高大洋牧場 |