スポーツフィッシングとは
スポーツフィッシングとは魚との駆け引きや釣る事を目的とした釣りのスタイルのことで、釣った後は逃がす(キャッチ・アンド・リリース)を行う事が一般的。釣りは釣れた魚を料理して楽しむといった側面もあるが、近年、スポーツのようにルールを設けた上で楽しむのがスポーツフィッシングと呼ばれることが多い。ただし、広義では漁師以外の釣り全般をスポーツフィッシングと捉える向きもある。
スポーツフィッシングの特徴
スポーツフィッシングにおいては、対象魚を定め、規格の範囲内の道具を駆使して、釣り人の技量を競い合うもので、主にI.G.F.A(International Game Fish Association)が糸の強さを基準に規格を定め、魚種毎の世界記録を認定している。
このI.G.F.Aの規格に則り、世界中で行われる釣り競技会で各々使用できる道具の規格を定められ、ルールの範囲内で釣れる魚の大きさや、数、またその総重量を競っている。また、国によっては恵まれた自然環境を利用し、資源保護に努めながら観光資源にしている国もある。これは、確保する魚の数を限定しながら、一方で魚を殺したり水から揚げなければ問題ないとして釣りも楽しんでもらうという施策になる。
日本では漁業者の権利補償が厳格に決められているため、漁業と遊漁の範囲が明確に分かれている。更に、国土の周囲が海で囲まれていて、しかも淡水域も豊富にあり、昔から魚を釣ることにルールを定めるという風土が根付きにくい国でもあった。ただし近年ではルアーフィッシングやフライフィッシングといった、よりゲーム性、趣味性の強い釣り方が外国から輸入されたことで、釣りには食べる為の行為以外の楽しみが存在していることが、日本国内に普及してきた。
この点が従来の釣りと最大の違いと言え、スポーツフィッシングは上記のI.G.F.A規格に準じたルールでより大きな魚を釣ることに加え、自然界と人間との間のルールを保つという面も持ち合わせている。
その内の一つが前述したキャッチアンドリリースで、乱獲を防ぐだけではなく、釣り場にゴミを残さないといった保全も効果としてある。例えば、多くの釣り人が訪れる釣り場に見られる事象として、ゴミを放置したり、釣り餌でその場が汚れても洗い流さないで帰る人が多く、釣り環境を大切にするといった観念が薄いユーザーも中には存在する。
また実際に、釣り人が原因で環境破壊につながったり、住民とのトラブルが絶えなかったり、車の乗り入れが禁止されている場所に入り込み、立ち入りが禁止された釣り場も多い。スポーツフィッシングにはそうした広い意味で釣り人のマナー向上の側面もある。
スポーツフィッシングの種類
日本国内においてはブラックバスを対象にした競技会が日本各地で開催されていることに加え、カジキマグロの大物を狙う大会が催されたり、ハイキングやトレッキングを行いながら山間部の河川を釣り歩いたり、ということが一般的。
一方海外では更に規模が大きくなり、多くの釣具メーカーやアウトドア用品メーカーが協賛して、高額な賞金が設定されたり、メディアを利用して大々的に、スポーツとしての普及が図られている。また、釣り場ではガイド体制が完備されている場所が多く、様々な選択肢が生まれている。