着衣着火

着衣着火とは

着衣着火(ちゃくいちゃっか)とは燃えやすい被服に火が着火した際に、一瞬にして炎が生地表面を伝わって燃焼する現象のこと。表面フラッシュ(現象)とも呼ばれる。

特徴

着衣着火は被服の毛羽(けば)や毛玉などに火が着火した際に一気に炎が走り燃え広がる現象で、袖口などから着火するケースが多い。多くの事象が突発的な出来事であることや、燃え広がる際のスピードの速さから着衣着火は危険な状態を招き、火傷や死亡に至る重篤な事象を引き起こすこともある。

着衣着火を起こしやすい素材としては綿・レーヨンなどの易燃性セルロース系繊維素材で作られた被服が挙げられるが、それ以外の素材でも基本的には毛羽立ちした被服を着用している際には注意が必要になってくる。またポリエステルやナイロンなどの合成繊維素材は表面フラッシュが発生する可能性は少ないが、溶けた素材が皮膚に付着して火傷を引き起こす危険性がある。

着衣着火が起こりやすい状況としてはガスコンロやストーブなどで火を使っている際に袖口から炎が燃え移ることが多く、袖口以外ではマフラーなどを身につけた状態でガスコンロを使用した際に着火して起こるケースもある。袖口にゆとりがある形状の被服を身につけた状態なども思わぬ着火に繋がりかねないため危険。また直火では無い電気ストーブなども火元になり得るため注意が必要。

なお、総務省消防庁「消防統計(火災統計)」によると2015年から2020年までの間で年間およそ100人程度が着衣着火により亡くなっている。

対処としては火を扱う際にはゆとりのある服を避けるほか、基本的に注意を怠らないことが大事だが、台所で扱うエプロンや割烹着などを防炎製品に変えるというのも対処方法として挙げられる。

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