ウオッカ(競走馬)

ウオッカとは

ウオッカ(英語:Vodka)は日本の元競走馬・繁殖牝馬で、現役時代には牡馬に混じって日本ダービーを含むGIを7勝も挙げた名馬の一頭。2年連続の年度代表馬となり、引退後には優秀な馬に送られる賞であるJRA顕彰馬にも選ばれている。通算成績は26戦10勝。2019年4月1日に蹄葉炎により没(15歳)

競走馬としてのウオッカ

ウオッカは栗東の角居厩舎に所属し2歳の10月にデビューを果たす。新馬戦ではスタートから先頭に立ち、直線でもさらに脚を伸ばす強い勝ち方を見せる。続く黄菊賞で2着に入った後、迎えた2歳牝馬No1を決めるGI阪神JFで快速馬アストンマーチャンを抑えて優勝する。スケールの大きな馬体や力強い末脚から翌年の牝馬クラシック戦線でも主役を張ることが予想されていたが、まだこの時点ではそこまで抜けた存在と見られていた訳では無かった。

明けた翌年、ウオッカはエルフィンSから始動し、レースでは他の馬より2kg重い斤量を背負いながらも2着に3馬身差をつけて見事優勝する。この勝利により評価が一気に高まった。続戦となった桜花賞トライアルのチューリップ賞ではのちにライバルとなるダイワスカーレットと初対決を迎えるがクビ差制し優勝を果たす。

そして迎えたクラシック第一弾の競争となる桜花賞では1.4倍の一番人気に推されるも、チューリップ賞で負かしていたダイワスカーレットに後塵を拝して2着に終わる。

この時点で大方の予想は続くオークスでダイワスカーレットに対して逆転できるかが争点となっていたが、陣営が決定したのはオークスでは無く、牡馬のクラシック競争の最高峰である日本ダービー。この選択に関しては様々な意見が飛び交ったが、本番ではアサクサキングスが抜け出したところを掴まえて抜け出し、見事に勝利。1943年のクリフジ以来64年ぶりとなる牝馬によるダービー勝利を果たした。

その後は勢いで臨んだ宝塚記念での敗戦とその後の怪我の影響もあり、3歳時は未勝利に終わる。ただし4歳時には復調し安田記念と天皇賞秋を、5歳時にはヴィクトリアマイルと安田記念、そしてジャパンカップで優勝を果たす。そしてこれら一連のGIレースの中でも、4歳時の天皇賞秋での宿敵ダイワスカーレットとの壮絶な戦いは、語り草となっている。
なお、ウオッカはデビュー以来毎年GI(通算GI7勝)を勝利しており、その事実からも競走馬として備わっていた能力は突出していたと言える。

繁殖牝馬としてのウオッカとその後

繁殖牝馬としてのウオッカは海外のアイルランドにあるギルタウンスタッドで過ごす事になり、現地でシーザスターズやフランケルといった名馬と交配された。ただし、現役時代に消耗してしまったのか、繁殖入りしてから3年もの間不受胎に終わるなど、子宝に恵まれなかった事も災いし、現時点でGIを勝利するような活躍馬は輩出されていない。
その後2019年の2月にフランケルの子どもである7番目の仔を出産したのち、3月になり脚元に故障を発症、懸命の治療も虚しく4月1日に天に旅立っていった。

ウオッカの血統

タニノギムレット ブライアンズタイム
タニノクリスタル
タニノシスター ルション
エナジートウショウ

ウオッカの競走馬成績

競走名 着順
2歳新馬 1着(鮫島克也)
黄菊賞 2着(四位洋文)
阪神JF 1着(四位洋文)
エルフィンS 1着(四位洋文)
チューリップ賞 1着(四位洋文)
桜花賞 2着(四位洋文)
東京優駿 1着(四位洋文)
宝塚記念 8着(四位洋文)
秋華賞 3着(四位洋文)
エリザベス女王杯 出走取り消し(四位洋文)
ジャパンカップ 4着(四位洋文)
有馬記念 11着(四位洋文)
京都記念 6着(四位洋文)
ドバイDF 4着(武豊)
ヴィクトリアマイル 2着(武豊)
安田記念 1着(岩田康誠)
毎日王冠 2着(武豊)
天皇賞(秋) 1着(武豊)
ジャパンカップ 3着(岩田康誠)
ジェベルハッタ 5着(武豊)
ドバイDF 7着(武豊)
ヴィクトリアマイル 1着(武豊)
安田記念 1着(武豊)
毎日王冠 2着(武豊)
天皇賞(秋) 3着(武豊)
ジャパンカップ 1着(C.ルメール)
A.M.C.Rd.3 8着(C.ルメール)

ウオッカの産駒一覧

ボラーレ (牡)父:Sea The Stars
ケースバイケース (牝)父:Sea The Stars
タニノアーバンシー (牝)父:Sea The Stars
タニノフランケル (牡)父:Frankel
タニノミッション (牝)父:lnvincible Spirit
ウオッカの2017 (牡)父:Frankel
ウオッカの2019 (牝)父:Frankel

競走馬情報

生年月日 2004年4月4日
性別 牝馬
毛色 鹿毛
通算成績 26戦10勝
主な勝ち鞍 日本ダービー、阪神JF、安田記念天皇賞・秋、ヴィクトリアマイル、ジャパンC
所属厩舎 角居勝彦(栗東)
生産者 カントリー牧場
免責事項

用語集ドットコムでは記事の内容が正確であるように努めておりますが、掲載されている情報はその内容を保障するものではありません。そのため当サイトの情報やその利用によって発生する損害・損失に対しては一切の責任を負いかねます。また、利用に際してはこの免責事項に同意するものとみなしますのでご理解ください。

コメントを残す