薬師寺

薬師寺

薬師寺(やくしじ)は、奈良県奈良市西ノ京町にある寺院であり、古都奈良の文化財の8つの資産のひとつである。古都奈良の文化財は1998年12月2日に京都市で開催されたユネスコ世界遺産委員会で、日本の歴史に政治的、文化的に影響を与えたことや、当時の伝統が今もなお現代の人々に根付いていることなどが評価され世界遺産に登録された。日本では7番目の文化遺産になる。

概説

『薬師寺』は、天武天皇が皇帝(※後の持統天皇)の病が治ることを祈り、680年に飛鳥の藤原京に薬師寺建立を発願したことが始まりとされている。薬師寺の薬師は『薬師如来』を意味しており、病気を治す神様のことである。しかし、建設途中に天武天皇自身が病を患ってしまい、完成前の686年に崩御されてしまう。その後、祈られた側である持統天皇によって、697年に薬師寺を完成させた。

710年の平城遷都に伴い、718年に現在の西ノ京に移された。その後も造営は、808年ごろまで続いた。しかし、幾度も火災の被害を受けた薬師寺であるが、1528年の兵火によってほとんどの建物が失われた。当時作られた建築物の中で、唯一東塔だけが現存している。焼失した薬師寺は、豊臣家によって再建される予定だったが、豊臣家の滅亡によって長い間再建されることはなかった。

その後、法相宗の僧である高田好胤の写経勧進というユニークな活動によって、薬師寺は再建されることとなる。1976年には金堂が、1981年になると西塔が再建された。高田好胤のユニークさは、薬師寺の名物管長としても発揮されて、面白く分かりやすい法話で当時絶大な人気を誇っていた。薬師寺は今もなお、奈良を代表する寺院のひとつとして親しまれ続けている。

薬師寺の特徴

西ノ京にある薬師寺は、興福寺と同じく法相宗の大本山である。境内には白鳳時代の象徴の薬師如来坐像安が安置されている『金堂』、薬師寺内最古の建築物の『東塔』、東塔とほぼ同じ造形の『西塔』、聖観音菩薩立像が安置されている『東院堂』などがある。1968年以降行われている『お写軽』は、一文字ずつ丁寧に書き写すことで心を落ち着かせる修行であり、一般の方もお写経道場にて体験することができる。そして西ノ京地区の西側に大池と呼ばれる池があり、西塔、東塔を大池越しに見る景色は圧巻で、写真スポットとしても人気を集めている。

拝観時間

8時30分~17時00分(拝観受付は16時30分まで)

拝観料

通常拝観券(白鳳伽藍・玄奘三蔵院伽藍)
大人:1100円
中高生:700円
小学生:300円

通常拝観券+西塔・食堂

大人:1600円
中高生:1200円
小学生:300円

アクセス

薬師寺への主なアクセスは以下の通り。また同じく世界遺産に登録されている唐招提寺へは徒歩で15分程度の場所にあり、並んで拝観するには非常に便利な立地にある。
近鉄橿原線西ノ京駅より徒歩1分
駐車場あり(※有料)

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