商品先物取引(コモディティ)用語集

商品先物(コモディティ)取引は長い歴史を持ち、日本においても江戸時代から行われてきたとされています。ここではその商品先物取引に関する用語を集めています。株や外国為替取引を行なってきた方もご参考にしてみてください。

あ行

RSI(相対力指数)

RSI(アールエスアイ)とはオシレーター系(価格のトレンドを測る)と呼ばれるタイプに分類されるチャート分析指標の一つで、0%から100%の間で価格が上昇傾向が強いか下落傾向が強いかを判断するために使われる。

綾戻し(あやもどし)

相場の下落局面における一時的な反発のこと。あるいは相場トレンドにはほぼ影響しない(と見られる)小幅な反発のこと。

移動平均線(いどうへいきんせん)

チャート分析における指標の一つで特定の期間における終値を結び構成される線形のこと。短期・中期・長期などトレーダーによって指定する日数は異なるが、5日、25日、75日、200日などを設定する人が多い。英語でムービングアベレージ(Moving Average)と呼ばれることからMAと言う人が多く200日MAと言ったりする。

板寄せ(いたよせ)

寄付時点の価格、売買が中断された際あとで再開された最初の時点の価格または、引け時点の価格等を決める時に使われる方式のことで、成行の売買注文全てを約定、約定価格以上の買い・約定価格以下の売り全注文の約定、約定価格で売りあるいは買いのいずれか一方が全部約定する事を条件として価格を決定させる方式のこと。

一服(いっぷく)

上げ、下げいずれか一方に動いていた相場が一旦止まることを指す。

WTI

WTIとは(ウェスト・テキサス・インターミディエイト)の略語で米国南部にあるテキサス州およびニューメキシコ州周辺で産出されている原油の総称のこと。そのままWTI原油という使われ方がされている。NYマーカンタイル取引所で取引が行われており、世界の原油相場の指標として価格は大きな影響力を持っている。

受け渡し(うけわたし)

売買契約をした内容を実際に行うこと。またはそのタイミングのことを指す。

受渡供用品(うけわたしきょうようひん)

受け渡しをする際に提供する現物商品のこと。

薄商い(うすあきない)

取引量が少なく閑散とした状況のこと。商品先物だけではなく金融商品において広く使われる用語。

売りヘッジ(うりへっじ)

売り付けを予定している状況にて、将来対象が値下がりしてしまった場合の下落分の損失を回避するため、同時に売りポジションを建てておくこと。これにより、現物価格が下落した際にも売りポジションの含み益により損失を相殺することができる。

押し目(おしめ)

相場が上昇トレンドにある(と見られる)際に一旦、下落した局面のこと。またはそうした状況。

オプション

何らかの商品を特定の期日まで、あるいは期間内に予め決められた価格で売り・買いする「権利」を売買する取引のこと。

OPEC(おぺっく)

OPEC(Organization of the Petroleum Exporting Countries)とは2022年3月時点でアルジェリア、アンゴラ、コンゴ、赤道ギニア、ガボン、イラン、イラク、クウェート、リビア、ナイジェリア、サウジアラビア、UAE、ベネズエラで構成されている産油国による国際組織で、産油国の利益ならびに世界における石油価格の安定化を目指して活動している。日本においては石油輸出国機構という名称で広く知られている。

OPECプラス(おぺっくぷらす)

アゼルバイジャン、バーレーン、ブルネイ、カザフスタン、マレーシア、メキシコ、オマーン、ロシア、南スーダン、スーダンからなるOPEC非加盟国による原油生産者連盟のこと。多くの国々の参加によりOPECに影響を及ぼすレベルにまで成長している。

か行

買いヘッジ(かいへっじ)

買い付けを将来考えている状況において、対象が仮に値上がりしてしまった時に起こる増加分の損失を回避するため、あらかじめ買いポジションを同時に建てておくこと。これにより、その後現物価格が上昇した際にも買いポジションの含み益により損失を相殺することができる。

期先(きさき)

限月の順番のことで、期先(きさき)とは複数の決済期日を対象にした際に直近(期近)の次に限月を迎えるものを指す。

期近(きぢか)

限月の順番のことで、複数の決済期日を対象にした際に当月に限月を迎えるものを指す。

現受け(げんうけ)

現物を受け取け取り決済すること。

限月(げんげつ)

先物契約が満期を迎える月のこと。3月限(ぎり)などと呼ぶ。国内の商品取引所は6限月制を取っており、2020年4月限、2020年6月限、2020年8月限・・・と続いていく。

現物取引(げんぶつとりひき)

実際の商品を売買すること。そうした取引手法。

原油(げんゆ)

油田から抽出したままの状態の未精製の状態の石油のこと。その後異物などを除去したものが石油になる。コモディティとしてメジャーな商品になり、中東やロシアなどが主な産油国になる。エネルギーとして非常に重要な資源であるため、様々なファンダメンタルズにより価格が大きく変動する。取引されている代表的な商品としてWTI原油やブレント原油またはドバイ原油などがある。詳細:原油

ゴールド

貴金属などに用いられる黄金色の金属のことで、過去から現在に至るまで価値が認められている。商品先物としてもメジャーな取引商品。

さ行

サーキットブレーカー

相場が急激に大きく変化した際に、一旦市場を止めること。またはその仕組みのこと。英語などではCBと表現されることもある。

裁定取引(さいていとりひき)

アービトラージとも呼ばれ、同じ価格の異なる商品に対して一時的な価格の差が発生した際に割安分を買い、割高分を売り、その後価格差が収束した時点で両方を決済することで差分を得る取引手法のこと。

先物(さきもの)

何らかの商品を将来の特定の時点で決められた価格で売買する取引のこと。FXとは異なり期日(限月)が設定される。

先渡取引(さきものとりひき)

店頭にて現物で決済するタイプの先物取引のこと。一般的な商品先物取引の場合は差金決済となり、現物は絡まない。

指値注文(さしねちゅうもん)

特定の商品等を事前に設定した金額・数量で注文を行うこと。⇔成行注文

差金決済(さきんけっさい)

差金決済とは現資産を対象とせずに単純に値動きの上げ下げの差分を利益とする取引のこと。CFD(Contract For Difference)とも呼ばれる。差金決済は現物の受け渡しを行わずに済むため個人投資家の参入がし易くコモディティ以外にも広まっている取引形式の一つ。

サヤ

価格差を意味する用語で、商品取引においては似た動きをする異なる商品の価格差のことを指す。

ザラバ

取引が行われている取引時間のこと。

CRB指数(しーあーるびーしすう)

正式名称はロイター・ジェフリーズCRB指数と呼ばれ、欧米の商品先物取引所で取り扱いがある先物取引価格から算出されている国際的な商品先物に関する指数。エネルギー・貴金属・穀物などの19品目で構成されている。

シェールオイル

シェールオイル(oil shale)は有機物を多く含む堆積岩を加工することで生成された原油のこと。近年アメリカを中心としてシェールオイルを産出する技術が高まり、エネルギー政策に関して既存の中東を中心とした産油国に依存する状況からの脱却が図られている。

証拠金(しょうこきん)

信用取引を行う際に預け入れる一時金のこと。この証拠金を担保とすることでレバレッジ取引などを行うことが出来る。

商品先物取引業者(しょうひんさきものとりひきぎょうしゃ)

日本国内において商品先物取引業を行うために必要な許可を受けた事業者のこと。

週足(しゅうあし)

チャートにおける期間の一つで、一週単位のものを指す。

シルバー

銀のことで、金の次に価値がある金属という印象が強い一方で、工業用から通貨まで幅広い使用用途があり、商品取引においても人気が高い。

ストップ高(すとっぷだか)

値幅制限の上限まで価格が上昇すること。

ストップ安(すとっぷやす)

値幅制限の下限まで価格が下落すること。

スポット価格(すぽっとかかく)

その時点において当事者同士で決定される価格のこと。

相対力指数(そうたいりょくしすう)

RSIを参照

損切り(そんぎり)

価格が下落するなど、保有したアセット・ポジションが含み損を抱えた際にこれ以上損失を膨らまさせないように決済すること。

た行

大豆(だいず)

様々な食材に用いられる大豆は日本国内では殆ど生産されておらず、海外において多くの大豆を生産している。また作物であるため、天候など気象状況によって大きな影響を受ける商品。

立ち会い(たちあい)

取引所での取引時間のこと。立ち会い時間とも呼ばれている。

建玉(たてだま)

買いまたは売りのポジションを持つこと。取引をかけること。

月足(つきあし)

チャートにおける期間の一つで一月単位のものを指す。

手仕舞い(てじまい)

買いまたは売りのポジションを決済し、取引中の状態のポジションを無くすこと。

帳入値段(ちょういれねだん)

帳入値段とは値洗いのために基準とする値段のこと。終値が用いられる場合や他に用意される場合などがある。

出来高(できごと)

売買契約が成立した数のこと。書いと売りはまとめてカウントされ、例えば買いが50枚、売りも50枚の場合、出来高は50枚になる。(売買高は100枚)

天然ガス(てんねんがす)

エネルギー系の商品の一つで、その名の通り天然に産出される有機ガス。ニューヨーク・マーカンタイル取引所で取引されている。米国・ロシアなどが主な産出国

電力先物取引(でんりょくさきものとりひき)

先物市場において電力の価格を取引すること、およびその商品のこと。

東京商品取引所(とうきょうしょうひんとりひきじょ)

日本取引所グループの子会社にあたり、商品先物取引を行う市場を開設し運営している。1951年2月に設立された東京繊維商品取引所を起源とし、2008年に株式会社化し2019年には監査役会設置会社に組織を変更している。

取組高(とりくみだか)

取引所で売り・買いの未決済の建玉の全数量のこと。

取引単位(とりひきたんい)

商品をやり取りする際のまとまった単位(lot)のこと。商品ごとに異なり分かりづらいため、一般的には「枚」を用いて呼ばれている。

な行

成行注文(なりゆきちゅうもん)

予め価格や数量を指定して注文を出すのではなく、その時に直接注文を入れていく形式のこと。⇔指値注文

値洗い(ねあらい)

取引中の建玉を未決済の状態で損益計算すること。

値幅制限(ねはばせいげん)

取引時間において付ける事が出来る価格幅のこと。前営業日の価格に応じて決定される。

は行

売買比率(ばいばいひりつ)

相場状況を売買の比率によって表した指標のこと。

パラジウム

産業用として幅広く活用されている金属で自動車や電子部品などでの需要が高い。ロシアや南アフリカが主な産出国。

バレル

バレル(barrel)は英語で樽を意味し、1バレル158.987294928リットル、と約160リットル弱になる単位のこと。原油相場ではバレル単位で表現されることが多い。

日足(ひあし)

チャートにおける期間の一つで、一日単位のものを指す。

標準品(ひょうじゅんひん)

商品を取引する際に規定されている標準的な状態、または仕様のこと。

ファンダメンタルズ

経済の外部要因のこと。特に戦争・紛争や貿易条件などで商品の価格が大きく動くことから商品先物においてはファンダメンタルズは重要な要素。

プラチナ

日本語で白銀とも呼ばれるプラチナは宝飾品や自動車の触媒として活用されている金属になる。南アフリカが主な産出国になる。

プラッツドバイ原油(ぷらっつどばいげんゆ)

アラブ首長国連邦(UAE)のドバイで採れる原油で東京商品取引所をはじめ主にアジア市場で取引されており指標となっている。

ブレント原油(ぶれんとげんゆ)

世界三大原油のうちの一つでイギリスの北海にあるブレント油田から算出される原油のこと。北海ブレント原油やブレントと直接呼ばれることがある。

ヘッジ

分散を意味する言葉で、金融商品取引においては保有資産を特定の対象に限定せずに分散してリスクを減らすことを目指すこと。

保険つなぎ(ほけんつなぎ)

現物を保有している人が価格の下落による損失リスクを抑えるために信用取引で空売りを行うこと。

や行

呼値(よびね)

特定の単位あたりで示される価格のこと。

ら行

レバレッジ

てこの原理の「てこ」を意味する言葉で、金融商品取引においては取引における倍率を上げることを意味する。レバレッジを上げることで手持ち資金が少額でも大きな取引が行えるようになり利益も期待できるが、その分損した際のダメージも大きいものとなる。詳細:レバレッジ

ローソク足(ろーそくあし)

特定の時間における値動きを表した図で、ローソクのような形状をしていることからローソク足と呼ばれる。このローソク足を複数並べ構成するローソク足チャートが日本では一般的なチャートスタイルとなっている。

ロールオーバー

主に原油ETFにおける限月乗り換えのこと。満期前に期近物を手放し期先物を買う運用となるものが多く、その際に発生するスプレッドは原油の場合はバレル数で調整が行われる。コンタンゴと呼ばれる期先物が期近物より高い場合、その後は高値掴みになることが多い。またCFD取引の場合は調整金のような形でスプレッド分を相殺するための追徴金が取られるケースがある。ただしこの場合は調整金分だけ含み益が発生するためトータルの差益は変わらない。

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