ラップ・HIPHOPミュージックは日本では90年代過ぎに一度大きなブームが訪れ、その熱が2000年代初頭に冷めた後は一転して混沌とした時期が訪れました。その後、2010年代初頭より今度はMCバトルブームが発生し、再び注目が集まるようになってきました。ここではそのヒップホップに関する用語を集めています。
あ行
A Tribe Called Quest(ア・トライブ・コールド・クエスト)
NY出身のヒップホップクルーで、オルタナティブヒップホップにおける礎を築いた代表的な存在。1980年代後半から1990年後期まで活動し一旦解散するものの2006年に再結成され2013年まで活動した。
アンサー
アンサー(Answer)は英語の意味そのまま、問われたことに対する返答のこと。曲に対してや相手に対しての回答のこと。バトルにおいてはアンサーを返さないとプロップスを失ってしまう(?)やりあう時以外でも使われる言葉。
アングラ
アングラとはアンダーグラウンドの略語で地下、あるいはまだあまり知られていないシーンの事を指す。HIPHOPに限らず使われる用語で、アンダーグラウンドで面白い文化が醸成されトップシーンに上り詰めることが多々ある。
イリーガル
英語のillegalのことで、ラップにおいてもそのまま非合法という意味で使われている。
イル(ill)
英語で病気の事だが、一転してヤバい(いい意味で)という意味で使われる事が多い。似た意味としてdope(深い)やsick(病気)などが使われることがある。
イルマティック(illmatic)
アメリカのラッパーNASのデビューアルバムでありヒップホップ界のマスタークラシック。タイトルはイルとドラマティックを掛け合わせた造語。プロデューサーにDJプレミアやピートロック、ラージ・プロフェッサーなどを集めた正に最強布陣で産み落とされたヒップホップ史上に残る大名盤。
韻(いん)
ライムの前後で繰り返し母音などを合わせるラップのこと。ライムを強く印象付けるための手法で、万国共通ラップミュージックにおける最大の特徴。小節の最後で韻を踏むことをケツで踏む、最初に踏むことを頭韻と言ったりする。
韻の固さ(いんのかたさ)
キチンと韻を踏んで来るライミングのことを指す言葉。押韻の格好良さを見せつけられるかが勝負。英語でも同様の意味としてhardという表現が使われており、そこから来ている(?)
韻踏合組合(いんふみあいくみあい)
大阪を拠点とするヒップホップグループでメンバーであるERONEやHIDADDYを筆頭に大阪のHIPHOPシーンにおける生き証人のような存在。
ヴァイナル
VINYL、ビニールのことでアナログレコード盤のこと。昔のレコードの材質にポリ塩化ビニール等が使われていた事が由来。
ウエストサイド
アメリカの西海岸、主にロサンゼルスを中心に誕生したヒップホップシーンのこと。NYなどの東海岸に対抗する文化として発展し様々なカルチャーが誕生した。2PAC、N.W.A.、Snoop Dogなど。
a.k.a(えーけーえー)
also known asの略語で、またの名を、という意味。単に略称として使っている場合もあれば、MCとDJ両方プレイしており使い分けている人や別ユニットを組んでいる人などが用いる事もある。
8 mile(エイトマイル)
2002年に製作されたヒップホップの映画でデトロイトが舞台となったエミネムの主演作。映画は大きな成功を収め、エミネム自身が歌う主題曲の「Lose Yourself」は2003年にアカデミー賞を受賞するまでになった。
EVISBEATS(エビスビーツ)
EVISBEATSは奈良出身のトラックメーカーで、EVISBEATSはトラックメーカーとしての名前。MCとしてはAMIDA名義でラップを行っている。数々の優れたトラックを多くのアーティストに提供し、またコラボレーションしながら曲を生み出し続けている。なお、AMIDAはもともと韻踏合組合の一角であったNORTABLE MCのMC兼トラックメーカー。
MSC(エムエスシー)
東京の極めてハードコアなヒップホップグループ。2000年代に頭角を現し、そのままシーンを牽引している伝説的なクルー。攻撃的なリリックやトラックは、その他とは明らかに一線を画し、ハードコアなスタイルを貫きながらもシーンを登り詰めた。混迷するヒップホップシーンにおいて新たな地平を切り開いた先駆者だと言える。なお当初はMSCruと名乗っており、2003年に発表したアルバムmatadorのリリースを機にMSCに改名している。
MC(エムシー)
ラップを行う人のこと。ヒップホップ黎明期にはMCはテレビ同様司会を行う役回りだったことからこの名称になっているが、後にRUN DMCが用いたMicrophone Controllerと言う言葉が大きな意味を持つなど様々な解釈が加わり、現在ではマイクを操りラップをする人の意味として使われている。もちろん司会者という意味でも一般的には使われている言葉。
MPC(エムピーシー)
ヒップホップのトラックメイク用として人気のサンプラーのこと。同じく高い人気を誇るメーカーとしてはMASCHINEがある。
エミネム(Eminem)
世界で最も有名なラッパーの一人と言って過言ではないアメリカのヒップホップMC。バトルでのし上がり、アルバムで世界に名を轟かせ、大金を掴んだ。まさにヒップホップドリームを実現したスーパースター。
OG
Original Gangsterの頭文字をとった略語。文字通りの意味も指すこともあれば、イかれて突出したやつという意味もあり、多様な使い方をされる言葉。
オートチューン
オートチューン(Auto-Tune)は、アメリカのアンタレス・オーディオ・テクノロジーズ社が開発・提供する音程を補正するためのソフトウェアで、ボーカルに当てて特異な音を生み出すことに使われることが多い。ヒップホップで言えばトラップなどでは特に使われることが多い。ケロっとした音になる事からオートチューンをかけることをケロらせると言ったりする。
オールドスクール
昔ながらの、過去のという意味。ヒップホップにおいては余り最新の機材を使っていない事や、トレンドになっているスタイルをフォローしていない曲やスタイルを指す。どの時期をオールドスクールと定義するか、に関しては意見が分かれるが1980年代後半から1990年代初頭あたりまでを指すことが多い。
押韻(おういん)
韻を踏むこと。ただ踏むだけでは無く踏む場所やタイミング、ピックする言葉などセンスが問われる。
か行
GAGLE(がぐる)
GAGLEは仙台を拠点に活動するヒップホップユニットで1996年から活動を続けている。トラック、ライミング、リリック全てが卓越しておりライブ・音源ともにリスナーだけではなく多くのラッパーからもプロップスを集めている。なお、MCのHUNGER(ハンガー)とDJ MITSU THE BEATS(ミツ・ザ・ビーツ)は兄弟。
ギャングスタ
怖い人のこと。そうした人たちの風景などを描写したラップの事をギャングスタラップと呼ぶ。曲調はトラック、リリックともに攻撃的なものが多い。
Gang Starr(ぎゃんぐすたー)
1980年代後半から2000年代初頭に活動したMCのGuruとDJのPremierによるアメリカの伝説的なヒップホップユニット。スーパーなDJプレミアによる楽曲は多様性に富み、MCのGuruはソリッドかつタフなライミングを放つ。東海岸のヒップホップユニット。
KING OF KINGS(きんぐおぶきんぐす)
9sariグループが主催する日本屈指のラップバトル大会。KOKと略して呼ばれる事が多い。
クール(cool)
かっこいいこと。一般的にも使われる言葉。
クラシック
クラシック(Classic)とは名曲、有名曲のこと。トラック単体を指すこともある。
グラフィティ
グラフィティ(graffiti)とは街中の壁等にスプレーなどで描かれる落書きのこと。描いた人のサインを残す事が多く、そのサインはタグと呼ばれる。
クリミナル
クリミナル(Criminal)は英語で犯罪の意味。ラップシーンでも同じ意味で使われる。サグい事や人を表す用語。
クルー
クルー(crew)は英語で乗組員や仲間という意味。ヒップホップシーンでも同じように使われ、グループ(やその周辺の人々も含む)のことを指す。
ゲットー
ゲットー(ghetto)とはスラムのこと。または底辺を表す言葉。人によってゲトーと聞こえる。
高校生RAP選手権(こうこうせいらっぷせんしゅけん)
スカパーで放送されている番組BAZOOKA!!!(バズーカ)が主催している高校生またはその世代が集まって繰り広げるラップバトル選手権のこと。第一回の優勝者はT-Pablow。
58
多くのライブハウスやクラブで使用されているマイクロフォンSHURE SM58のこと。
さ行
サイファー
路上で行われるフリースタイルラップのこと。ボイスパーカッションのみでリズムを取るものもあれば音楽機器を持ち出して行うものもありスタイルは多種多様。MC漢が歌舞伎町で行ったサイファーは必見の価値あり。詳細:サイファー
サグ
サグ(Thug)、ワル(悪)の意味。サグいという言い方もある。
サッカー
スポーツのサッカー(Soccer)では無く、ク○野郎(Sxxker)の方。サックはいわゆる4文字言葉で、MCバトルなどではサッカMCとかワックMCとか言う言葉がバンバン飛び出る。
さんぴんCAMP
さんぴんキャンプは1996年7月7日に日比谷野外音楽堂で開催された歴史的なラップイベント。ECDが主催しYOU THE ROCK★やキングギドラ、RHYMESTER、ブッダブランド、シャカゾンビ、四街道ネイチャーなど当時シーンを賑わせていたラップグループが数多く出演した。
サンプラー
リズムや曲を構築する機材。DJ用具。詳細:サンプラー
サンプリング
既存曲や外部の音・フレーズを切り取り録音すること。ラップミュージックの特徴の一つとしてトラックを作る際に既存曲の一部をサンプリングし他の音も加えて再構成するという技術が使われることがあり、これをマッシュアップと言ったりもする。
Jay Z
ジェイジーはNYのブルックリン出身のラッパーでアメリカで大きな成功を収めたラッパーの一人。商業的な側面からもラップをトップシーンに押し上げた一人。nasとの苛烈なビーフが有名。
シット
シット(shit)、クソのこと。悪い意味だが、使い方により、肯定的に用いられることも多い言葉。
シャタファッカー
Shut a fxxker、黙れクソ野郎の意味。
しゃばい
つまらない、しょうもないと言う意味のスラング。しゃべえと言ったりする。
小節(しょうせつ)
曲の長さのこと。1小節は4拍、例として1、2、3、4で1小節となる。
SKIT(スキット)
曲と曲の間の間奏曲のこと。センスが問われる。
Steelo(スティーロ)
スタイルのこと。
ストリート
路上のこと。ラップでは現場というような意味で用いられる事が多い。
スタイルウォーズ
異なるスタイルのラッパー同士のバトルのこと。ラッパーのキャラが明確に分かれるため、新しい物が生まれる感があり非常に楽しい。
セルアウト
売るための曲のこと、または売れ線狙いのこと。そうした曲やアルバムを出すラッパーのことをセルアウターと呼んだりする。例えばそれまではサグを売りにしていたラッパーが、何かをキッカケに注目が集まり、その後は恋愛や頑張れ、感謝などをタイトルやライムに使い出すようなこと。蔑称の意味で使われる。
戦極 MC Battle(せんごくえむしーばとる)
日本屈指のMCバトル大会。Youtubeに投稿したバトルが人気を呼びメインストリームに上り詰めた。昨今のラップバトルブームの火付け役と言っても過言では無い。
た行
タイト
タイト(tight)はしっかりした、芯が通ってるものという意味。タイトなライミングと言ったりする。
チェケラ
Check it out、チェックしてくれ、という意味。
チョップ
トラックを制作する際の手法の一つで、いわゆるカットのこと。例えばサンプリングした音を細かく切り刻むこと。チョップした音の素材をその後入れ替えるなどして新しく再構築して曲を構築する。
チル(Chill)
リラックスすること、またはそうしたビートのことを指す。
2パック(Tupac)
90年代西海岸のヒップホップシーンを牽引したレジェンドMCであり、いわゆる東西ヒップホップ抗争(と言われている)により25歳の若さで命を落とす。大ヒットした数々のタイトな曲とスキャンダラスな言動でラッパーを体言し、時代をあっという間に駆け抜けていった。アルバムMe Against the WorldとAll Eyez On Meはどちらもヒップホップ誌に残る名盤。
使いまわし(つかいまわし)
主にバトルで使われる言葉で、ライムやフレーズを何度も使うこと。ダサい行為とされる。
ディグる
掘る(dig)、探すという意味。レコードをディグる、曲をディグる等というように使う。
DJ(でぃーじぇい)
ディスクジョッキーのことで、曲を選曲し流す人のこと。
DJプレミア(でぃーじぇいぷれみあ)
DJプレミアは(DJ Premier)アメリカのテキサス出身の伝説的なトラックメーカーで、ヒップホップユニットGANGSTARRのメンバー。卓越したサンプリングセンスと構成力を持ち、マスタークラシックと言われる曲のトラックに彼の作品が多く登場し今日では世界的な名声を得た。トラックメイクの特徴としてはサンプリングしたメロディーを細かく切り(カットし)再構成するチョップと言う技を駆使し、美しいトラックを世に多く送り出している。
DTM
DeskTop Musicの頭文字を取った略語で、主にパソコン上で作曲や音の調整を行うために使われるアプリケーションを指す。DTMソフトのように使われる。和製英語。DAWソフトと呼ばれることも多い。
ディスる
相手を悪く言うこと。英語のdisより。フリースタイルバトルの基本。
デフ(Def)
かっこいいこと。
ドープ(dope)
深いの意味。ラップではヤバい(良い意味)という意味で使われる。
ドッグ(dog)
仲間のこと。
トラック
ボーカルを載せていない曲・フレーズのこと。ヤバいトラックとヤバいラッパーが噛み合うと奇跡みたいな曲が生まれる。
トラップ
ハードコアなヒップホップから派生した(とされる)ヒップホップでアメリカのヒップホップシーンを牽引している。遅いビートに細かいハイハットが入り、曲調自体は壮大なトラックが多い。この影響からか日本でもトラップ寄りのヒップホップが人気を集めており、増加している。詳細:トラップ
ドリル
ヒップホップから派生したジャンルの一つで2010年代初頭にアメリカのシカゴを中心として流行った音楽。重たく不穏なビート、細かいハイハットが特徴で歌詞の内容も暴力的かつサグな内容が多い。シカゴのラッパーであるチーフキーフが大ヒットしたこともあり多くの人に知れ渡り、その後世界各地にドリルミュージックが飛び火した。
な行
ナーミー
You know what I mean?(言ってる意味わかる?)の意。
ナズ(Nas)
1973年にアメリカのNY市のブルックリン地区に生まれたヒップホップMC。メジャーデビューアルバムであるIllmaticを皮切りに大ヒット作を連発しヒップホップをメジャーシーンに押し上げたラッパーの一人。レジェンド。
日本語ラップ(にほんごらっぷ)
そのまま日本語で歌われるラップの曲のこと。アメリカのヒップホップと対比して語られることが多い。先駆者へビガー。
Nujabes(ぬじゃべす)
日本のDJ・ヒップホップのトラックメーカー。なおローマ字のヌジャベスを逆さに読んだ瀬葉淳は本名ではなく別名。2010年に交通事故により逝去するも世界中から今もなお賞賛が送られ続ける音楽家。生楽器からエレクトロ、その他様々な要素を絶妙なバランスで落とし込みミックスした美しいトラックが特徴。
ネイティブ・タン
ネイティブ・タン(Native Tongue)は1980年末期からのアメリカにおいてシーンを牽引したヒップホップの集団(部族)。代表的なグループとしてはア・トライブ・コールド・クエスト(A Tribe Called Quest)、ジャングル・ブラザーズ(Jungle Brothers)、デ・ラ・ソウル(De La SOUL)などが挙げられ、それまでの金や銃といったタフな印象を全面に出したラップではなく、日常的なことをはじめ、サンプリングなども曲によりキャッチーな物を使うなどラップを音楽的に広げたスタイルが特徴。このネイティブ・タンを起点にそれ以前をオールドスクール、以後をニュースクールと定義することも多い。
ネタ
ラップバトル用に仕込んで来たライムのこと。バトルは即興を楽しむものという考えがあり、ネタを多用するMCは馬鹿にされる風潮がある。違う意味としてはトラックにおけるサンプリング元を指す。その場合はこのトラックの元ネタ何?というように使われる。
ノーダウト(No Doubt)
英語で間違いねえ、という意味を持つスラング。
The Notorious B.I.G(ノートーリアス・B.I.G.)
ビギーの愛称を持つアメリカのNY出身のラッパー。タイトな野太いライムが特徴で、自身の生い立ちでもある麻薬売人時代の風景を投影したリリックが強烈なメッセージを与えた。デビューアルバムReady To Dieはヒップホップの歴史に残る名作と評価され続け、ビギーの魅力が全て詰まったクラシック。
は行
バース
バース(verse)とは曲の1フレーズのこと。ワンバース(目)と言われたりする。
ハードコア
いかつい硬派な姿勢のこと、またはそうしたリリックや曲、ラッパーを指す。ラップに限らず他の音楽や世の多くのシーンでも使われる言葉で、ハーコーと略して呼ばれることも多い。
バイブス
バイブス(vibes)は感情に溢れていること、または気持ちの入ったライム・言葉のことを指す。
ハスラー
ハスラー(Hustler)は英語でゴロツキや詐欺師の意味を持つ言葉で、ラップでは合法・非合法を問わず生業を行う人、サグな仕事を行っている人のこと。悪いことをすることをハスリングと言ったりする。
バディマン
スラング用語でオ〇マ野郎の意味。
バトル
MCバトルのこと。
バトルヘッズ
MCバトルをメインに楽しむ人々やそうした志向のラッパーのことを指す用語。
バビロン
バビロン(Babylon)は古代都市の事だが、ラップシーンでは巨大な組織、または警察などの権力・支配階級を表す用語。
パブリック・エネミー
1982年に誕生したアメリカのニューヨーク出身のヒップホップグループで政治的な歌詞や複雑に巧みなサンプリングによって構成された曲が特徴。
パンチライン
強烈な一言のこと。ラップバトルでは、相手、または聴衆に対し一番効くワンフレーズのこと。
PUNPEE
PUNPEE(パンピー)はヒップホップのMCでありDJ。卓越したメロディセンスとヒップホップへの愛情あふれまくるライミングはラップミュージックの面白さ・楽しさをそのまま体言していると言える。初期のUMBではラップバトルにも参戦していた。弟であるS.L.A.C.K.とGAPPERの3人でPSGというヒップホップユニットを結成している。
ビート
Beat、音のこと。多くの場合トラックを指す。
ビートボックス
口でドラム音を作り出しリズムを刻むこと。ヒューマンビートボックスとも言う。
Pete Rock(ピートロック)
Pete RockはNYブロンクス出身のトラックメーカー、DJ。ファンク、ジャズ、R&Bからサンプリングされたソウルフルなトラックが高く評価され、友人であるCL Smoothとのユニットだけではなく、Run-DMCやNas、Rakim、Redmanその他多数の有名ラッパーにも楽曲を提供している。90年代を代表する伝説的なプレイヤー。
ビーフ
ビーフ(Beef)はディスバトルのこと。どちらかと言えばステージではなく、音源等で行われる事が多く、最近ではYouTubeやインスタライブを通じてビーフが行われることがある。
ビッグアップ(big up)
感謝の意味を持つ英語スラング。ビガーと聞こえる。
Bボーイ(びーぼーい)
ラップを好む人、あるいは単にラッパーのような格好をした服を着ている人のことを指すこともある。語源としてはブレイクダンスをする人を指す言葉。
Bボーイパーク(びーぼーいぱーく)
2017年まで同名で開催されていたMCバトルをメインとしたヒップホップイベントのこと。バトルは1999年から始まり初代チャンプはKREVA。日本のラップシーンにおける混迷期を牽引してきた大会で、数々のベストバウトも生まれた。
BPM(びーぴーえむ)
曲のテンポの速さを表す指標で、Beat Per Minutesの略語。トラックメイキングにおいては重要な要素になり、同じトラックでもBPMを変えるだけで全く異なる表情を持つようになる。
ブート盤(ぶーとばん)
海賊版の事。レコードからTシャツから。
ブーン・バップ
ブーンバップ(Boom Bap)はハードなバスドラや太めのベース音、はっきりしたスネアなどを強調したトラックを使ったラップの曲のスタイルで、1980年代後半から2000年代まで王道であったヒップホップサウンド。ブーンバッと聞こえることから。
フッド
フッド(hood)は英語で地元という意味のスラング。
フィーチャリング
フィーチャリング(featuring)は曲に参加するゲストのこと。featと略して使われることが多い。日本語の意味である客演を使う人もいる。
フェイク
Fake、偽物のこと。
フック(Hook)
曲のサビのこと。または引っ掛けて貰う(拾い上げて貰う)事を指す事もある。
フックアップ(Hook up)
フック・アップは引っ掛けることを意味する言葉で転じて拾い上げてもらうことを指す用語。ラップでは有名な人の曲にfeatして貰ったり、レーベルに誘ってもらうことを指すことが多い。
プチャヘンザ(Put your hands up)
手を上げてくれよ、の意味。MCが観客を煽る時など。
Bro(ブロ)
ブラザー(Brother)の略語で、意味はそのまま兄弟だが、親友に対して使うフランクな言葉でラッパーだけではなく一般的にも使われる言葉。
フロー
フロー(flow)とはラップの使い方や曲への乗せ方などの手法のこと。ビートに合わせて巧みにフローを使い分けられる人、音にラップを乗せるのが上手い人のことをフロー巧者と言ったりする。
ブロックパーティー
特定の地域(エリア)で行われる比較的小規模な音楽を交えたお祭りのこと。1ブロック単位で行われるような規模であることから。
フリースタイル
自由形、なんでもありなスタイルのこと。ラップバトルのことを指すこともある。
プロップス
プロップス(props)は支持されていること。人気があること。
ヘイター
ヘイター(Hater)憎んでばかりいる人。嫉妬ばかりしてる奴というニュアンスで言われる事が多い。
ベストバウト
主にラップバトルにおける名勝負のこと。ボクシングなど格闘技でも使われる言葉。
ヘッズ
ヒップホップ好きの仲間たちのこと。
ホーミー(Homies)
主に地元の仲間たちのこと。
ま行
MASCHINE
MASCHINE(マシーン)はトラックの制作などに使われるサンプラーで、非常に人気が高い製品。人気サンプラーであるMPCとしばしば比較されている。開発しているNative Instruments社はドイツの首都ベルリンのメーカー。
マイク(MIC)
MCの武器であるマイクのこと。エムアイシーとラップする事も多い。
マイメン
仲間たちのこと。仲の良い友達のこと。
マザーファッカー
英語における放送禁止用語、ク○野郎の意味。
マスターピース
名作、傑作のこと。
マッシュアップ
既存の音ネタまたはトラックなどを違うものとかけ合わせ再構築すること。
元ネタ(もとねた)
サンプリング元の曲などメロディーのこと。ネタと略して言うこともある。
や行
Ya(や)
Youのこと、代表的なフレーズにYA KNOW MY STEELOがあり、意味はこれが俺のやり方という意味
ヤングガン(ズ)
活きの良い若手のこと。
UMB(ゆーえむびー)
Ultimet MC Battleの略で日本有数のフリースタイルバトルの大会。
ら行
ライマー
ライムを紡ぐ人。MCのこと。
ライム
ライム(Rhyme)はラップすること、韻を踏むことを指す。
ラップバトル
ステージで二人のMCが音にあわせて互いにディスり合う戦いのこと。曲の長さは8ビート、又は16ビートで行われることが多い。日本においてヒップホップ人気が復活した一つの大きな要素。似た言葉でフリースタイルバトルやMCバトルと言われることも多い。
リブロ(Libro)
1997年にソニーレコードからCDをリリースするなど活動歴が非常に長いラッパー。スキルフルでありながらハードコアな姿勢を貫き、一方で美しいリリックやトラックの宝庫でもあり、とにかくヒップホップの魅力が詰まったMC&トラックメイカーで幅広い層からプロップスを集めている。ライブは必見。
リリカル
歌詞が巧みなこと。
リリシスト
歌詞が巧みな人のこと。
リリック
リリック(lyric)は歌詞のこと。歌詞とは言わずリリックと表現することも多い。
RUMI
グループとしての”般若”でMC般若、DJBAKUと共にMCを務めた女性ラッパー。ハードコアな姿勢を崩さずに繰り出される攻撃的かつスキルフルなライミングは唯一無二。ヒップホップブームが沈静化し混迷の時代を迎えたシーンの中で強烈に光を放った。
レーベル
レコード会社のこと。
R.I.P(レスト・イン・ピース)
Rest in Peace、安らかに眠れの意味。
レペゼン
レペゼン(represent)は代表の意味でそのまま使われる。レペゼン東京、レペゼン大阪等。レップする(している)と使うこともある。
ローファイ・ヒップホップ
ローファイ・ヒップホップ(Lo-fi Hip Hop)は主にインストの曲でジャズなどを中心とした既存曲のサンプリングに浮遊感を持たせたエフェクトを持たせたトラックが特徴的。YouTubeでBGMとしてストリーミング配信されていることがキッカケとなり世界的に広まっている。
わ行
ワック
ワック(wack)はダサいを意味する、ラップ下手な奴を罵倒する、あるいは単純にダサい奴をなじる言葉。例、ワックMC。
ワッツアップ(What's up)
調子どう?を意味する英語スラング。ワッサーと聞こえる。
ワナビー
wanna be~のことでそのまま、~になりたい(とばっかり言ってる)人のこと。ディスる意味で使われる。