ビットコインとは

ビットコイン(Bitcoin)とは暗号資産(仮想通貨)の一種で、通貨として取引所などで使用されているシンボルはBTC。P2P技術を用いた分散型の主に決済などで使われることを想定して作られた暗号通貨(暗号資産)。ビットコインは法定通貨のように信用を保証するために機関(国・政府等)を置かずとも、信頼性を担保できるように、前述したP2P技術をベースとしたブロックチェーン技術を用いて開発されている。

概説

ビットコインはサトシナカモト(Satoshi Nakamoto)という匿名の人物が2008年にインターネット上に投稿した論文に基づいて開発された。2009年に最初のビットコインが誕生すると早速取引が開始され、翌年5月22日にはアメリカのフロリダ州にてビットコインを用いた初めての決済が行われた。その時はピザ2枚が1万ビットコインで支払われており、この出来事を記念しビットコインコミュニティにおいて、毎年5月22日はビットコインピザデイと呼ばれ、ピザを食べるという風習が一部存在している。

その後は2012年のキプロス危機により価格が大きく高騰したり、大手の取引所であったマウントゴックス社の取引停止に伴う大きな混乱などが発生したが、良くも悪くもビットコインは少しづつ認知を拡大させていくことになる。

2017年になると年初より価格は大きく高騰を続け、途中8月1日にビットコインのブロックサイズ問題に端を発するハードフォークとビットコインキャッシュの誕生などがあったものの、最終的に一時1ビットコインあたり200万を超える価格まで高騰する。

ただし、その後2018年は大きく価格が落ち込み、2019年には4月より上昇を見せるものの、大きな下落を見せる局面もあり不安定な動きとなっている。2020年5月に半減期(マイニング報酬が半減すること)を迎えたことで今後の価格推移も含めて注目が集まっており、同年10月には決済大手のペイパルが暗号資産への参入を発表したことで価格は高騰し一時13000ドルを超えた価格で取引された。

2021年に入ってから米国の自動車メーカーであるテスラがおよそ15億ドルもの額をビットコインに投資し、またビットコインでの支払いを受け入れる事を発表したことにより価格は上昇し1ビットコインあたり4万ドルを超えた。なお、その後も中米の国であるエルサルバドルが国として初めてビットコインを法定通貨として取り扱う事を開始したことや、アップデートTaprootなどの実装もあり、価格は上昇を続け11月には一時6万7000ドル付近まで上昇した。

特徴

ビットコインのシステムは全ての取引記録(ブロック)を連結させ、新たな記録が発生するたびに、既にある過去の取引ブロックに新たに加えられ数珠のように繋がれていく。この技術はブロックチェーンと呼ばれており、ノードと呼ばれるビットコインシステムに参加している機器全員で共有されている。またこのブロックチェーンには誰でも参加することが可能。単一の記録を複数人でシェアして更新し続けるという仕組みからインターネット上の懸念点の一つであったデータのコピーや複製、かいざんによる事実の改変を阻止できる技術になると期待されている。

また、ビットコインは特定の管理者がいない(不明)という点から責任を参加者全員に分散させており、主体が曖昧であるために取り締まる事が非常に困難である事も特徴の一つ。この非中央権システムにより恣意的な操作や改変が難しく、結果として通貨としての整合性・正当性を強化している。

ビットコインの決済処理の流れとしてはおおまかに以下の通りとなる

1.取引を行う
2.取引記録の整合性をチェックする
3.取引記録が認められ、新たなブロックが作成され、送金処理が行われる

上記2番の工程、取引記録の整合性をチェックするのはマイナーと呼ばれるユーザー(あるいは組織)がコンピューター機器を駆使して行う(マイニングと呼ばれる)事になる。彼らはその対価としてビットコインを受け取る事が出来る。また送金時の手数料もマイナーは受け取ることが可能となり、混雑時などはどの送金処理を優先させるか決めることが出来る。

なお、承認作業の一連の流れが終わるまでの時間は最小時間ではおよそ10分程度になり、取引量が増えれば増えるほど10分では終わらず長引いていく事になる。2017年に起きた暗号資産ブームの際には多くの参加者が送金処理を行ったため、時に送金時間が大幅に遅延するなど決済用の通貨としての問題点が露呈した。

なお、ビットコインは現在では投機用の目的がメインとなっており、商品やサービスを購入するために利用されるケースは非常に少ない。また、金融商品の一つという位置づけで金のデジタル版としての資産価値を見出す人もいるが、いずれにせよ当初想定していた決済に使われるという目論見からは遠ざかっている。

メリット

ビットコインのメリットは、いついかなる時でも利用する事が可能だという点が挙げられる。通貨であれば、保管する銀行から出金をしなければならないが、ビットコインはその必要が無く、電源とインターネット回線のみで利用する事は可能となる。また中央政府による恣意的な介入が難しいため、資産逃避先としての価値も少なからず認められる。この点に関して言えば、過去キプロスが金融危機に陥った際やギリシャ危機の際などはビットコインの価格が上昇している。

デメリット

現在表明化している問題としては、投機対象としての取引が多く価格が安定しないこと、送金に時間を要してしまい決済としては使い道が限られること、マイナーや取引所、あるいは大量保有者による影響が考えられ、しばしば価格操作のような動きを見せること、などが挙げられる。

この中でも、特に価格の乱高下に関しては数週間(場合により数日)の内に50万円が100万円になり、その後再び60万まで下落したり、といった具合に激しく動くため、決済を行う側も受け付ける側も大きなリスクを抱えてしまい、とても通貨としては利用できないという点がしばしば言及される。

また保管に関しても、暗号資産(仮想通貨)取引所の口座か個人で用意したウォレットに保管する必要があり、前者の場合は取引所が攻撃対象となって流出する恐れがあり、後者の場合は攻撃対象となる点に加えてパスワードなどを紛失してしまう、ハードが故障してしまう、など個人で管理する際のリスクが大きく影響する点もデメリットとして考えられる。

現在と今後

ビットコインは上記で挙げられた課題があるにせよ、グローバルなデジタル資産に魅力を感じる層も多く、価値は大きく動くものの数十万円で取引が行われている。またビットコインの根幹であるブロックチェーン技術に興味を持つ企業も多く、今後の活用が期待されている。

決済速度に関して言えば、ビットコインのシステムではなくビットコインの持つ他のレイヤーを活用して処理速度を上げるライトニングネットワークという技術が水面下で開発が続けられており、この技術の完成および普及がスピード不足の解消に繋がると期待されている。

他で言えば度々申請しては却下されているビットコインをETFとして上場させるというプランがもし通るような事があれば、実体を持たない資産が初めて巨大市場に認可されるという事になり価格の大幅上昇が期待されている。

暗号資産情報

名称 ビットコイン(Bitcoin/BTC)
誕生 2009年1月3日
創設者 サトシ・ナカモト(Satoshi Nakamoto)
特徴 ブロックチェーン、決済、他
免責事項

用語集ドットコムでは記事の内容が正確であるように努めておりますが、掲載されている情報はその内容を保障するものではありません。そのため当サイトの情報やその利用によって発生する損害・損失に対しては一切の責任を負いかねます。また、利用に際してはこの免責事項に同意するものとみなしますのでご理解ください。

コメントを残す